久々に通常開催となった「Watches and Wonders」などで発表された新作時計を、目利きたちが注目のトレンド別にガチレビュー。その魅力を深掘りする!
主張控えめな
ニュアンスカラーが旬
白黒つけない曖昧さが
ファッションの幅を広げる
小林 時計のダイヤルカラーのバリエーションって、本当に増えましたよね。今年はニュアンスカラーが目立っていました。
江口 ダイヤルの装飾や加工技術が上がったからでしょう。ぱっと見ただけで美しいと息をのむ時計が増えている。
田中 例えばダイバーズウォッチって、本来はタフな時計であるはずなのに、色の効果のおかげでポップでおしゃれに見える。
かっぴー 時計単体はもちろん、どんなファッションに合わせるか、どういうシーンで使うか考えるのも込みで楽しみたいですね。
ルイ・ヴィトン
タフなのに優しいカラーが都会的
1タンブール オトマティック ストリート ダイバー アーバングリーン
携帯用時計の太鼓形ケースにインスピレーションを受けた「タンブール」。そのボリュームを生かしつつ、100m防水のダイバーズウォッチに。アーバングリーンと命名されたやわらかなカラーリングは、タフウォッチでありながら、アクセサリーとしても楽しめる。もちろん海にも潜れるが、やはり都会が似合う時計だ。自動巻き。SS。ケース径44㎜。¥1,130,800/ルイ・ヴィトン クライアントサービス
約20年前、タンブールがデビューした当時は、デザインに驚いた。こういう時計があるからこそ、クラシックなデザインも引き立つ。時計の世界を広げるためには、絶対に必要な存在(江口)
ファッションの中にあっても、しっかり主役になれる時計。また、時計であると同時に、アクセサリーでもある(小林)
オーデマ ピゲ
精密な仕上げのダイヤルはスモークベージュ
2CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック
2019年にデビューした人気コレクションに、ステンレススチールケースモデルが加わった。立体的で複雑なケースを硬い素材で作るのはかなり困難だが、これはミドルケースにセラミックを使用しており、かなり高度な構造となった。ダイヤルはきれいなスモークべージュカラーで、特別感を演出。自動巻き。SS×セラミック。ケース径41㎜。¥3,465,000/オーデマ ピゲ ジャパン
オーデマ ピゲは「ロイヤル オーク」のイメージですが、個人的にはシンプルなモデルが好み。だからこのCODE 11.59も気になる。これ見よがしじゃなく、普通な感じで使えそう(江口)
どこかミリタリー的なカラーなので、NATOストラップに変えてもいいかも。Tシャツにさらっと合わせたい(小林)
モンブラン
ユニークなコンセプト、「氷河」の表現
3モンブラン1858 アイスシー オートマティック グレーダイヤル
高級筆記具ブランドが、時計製造をスタートさせたのが1997年。その後は実力派時計工房を傘下に収めてノウハウを吸収し、高品質の時計を作っている。このモデルは300m防水の本格ダイバーズウォッチながら、コンセプトは山ともかかわりが。アルプス最高峰モンブランの周囲に広がるメール・ド・グラス氷河の色と質感を、特殊加工のダイヤルで表現している。自動巻き。SS。ケース径41㎜。¥454,300/モンブラン お客様サポート
このモデルは30気圧防水のタフウォッチということもあって、流行のシースルーバックにしていない。そういう細部に、本気を感じます(後藤)
海の時計であるダイバーズウォッチなのに、コンセプトが氷河。どういうこと!?っていう面白さがある(小林)
※文中すべて、SS=ステンレススチールの略です。
Text:Tetsuo Shinoda