2023.07.16
最終更新日:2024.03.08

【目利きな大人が狙う新作時計#05】パネライ、ショパール… 意識の高い男のためのエシカル素材ウォッチ3選

久々に通常開催となった「Watches and Wonders」などで発表された新作時計を、目利きたちが注目のトレンド別にガチレビュー。その魅力を深掘りする!

【目利きな大人が狙う新作時計#05】パネの画像_1
江口大介さん 江口洋品店・江口時計店 代表プロフィール画像
江口大介さん 江口洋品店・江口時計店 代表
古着のバイヤーの時代に時計に魅せられ、ヴィンテージウォッチショップのオーナーに。「小さいけれど時計以上に、その人の人生観や哲学を表現するモノってないんじゃないかなって思うんです」。
かっぴーさん 漫画家プロフィール画像
かっぴーさん 漫画家
アニメ化の決まった『左ききのエレン』などで知られる人気漫画家。「時計にハマったのは、1年ほど前からです。自分が描くキャラクターに似合う時計は何かなって考えるのも楽しいんですよ」。
後藤洋平さん 朝日新聞 編集委員プロフィール画像
後藤洋平さん 朝日新聞 編集委員
新聞記者としてパリやミラノのコレクションやスイスの時計展示会の取材を行う。「ヴィンテージウォッチが好き。でも、もっと好きなのは、時計好きの人たちと語らうこと。お酒が進みますよ」。
小林 新さん スタイリストプロフィール画像
小林 新さん スタイリスト
雑誌や広告など幅広い媒体で活躍する人気スタイリスト。「その時計がどういう時代背景から生まれたのかなど、考えるのが好き。僕にとって時計はもはや時刻を知るためのものではないかな」。
田中 遥さん フリーランスPRプロフィール画像
田中 遥さん フリーランスPR
大手セレクトショップのPRを経て、フリーランスPRとして活動。「愛用しているのはヴィンテージウォッチばかりです。故障もするし、精度もあまりよくないけど、あれこれ手をかけるのが好き」。

意識の高い男は

時計だってエシカル

時計にも倫理を求める
そんな優しい男でありたい
江口 歴史あるブランドが、エシカルという新しい取り組みに力を入れているのは、興味深い傾向です。
田中 ファッションの世界では広く取り入れられている考え方が、時計界にも広がっているのは意外でしたが、ストラップやケースの素材に注目するというのは、新しい観点かもしれません。
後藤 ショパールのように、単に再生素材であるだけでなく、硬度を高めるなど付加価値を意識しているのも、戦略としては正しい。
小林 事実、気になるモデルも多かったですね。


パネライ

ミュージアムから発見されたような味のある再生スチール

パネライ ラジオミール オットジョルニ
パネライ ラジオミール オットジョルニ 横面
かっぴー 話す様子

1ラジオミール オットジョルニ

再生素材で作られる高品質ステンレススチール「eSteel」を採用。パネライではこの技術や協力企業をオープンにして、他社でも使えるようにしている。この素材の表面にヴィンテージ加工を施した新素材を開発し、クラシック顔の「ラジオミール」で採用した。なおモデル名の「オットジョルニ」は8日間という意味で、この時計の連続駆動時間に由来している。手巻き。eSteel。ケース径45㎜。¥1,293,600/オフィチーネ パネライ

ヴィンテージ加工で、さらに男くさいカッコよさがアップ。レトロなデザインは、おじいちゃんの書斎から出てきたような感じがする。このくらい大きくないとパネライじゃない(かっぴー)

サイズ感、デザイン、仕上げなど、歴史的な文脈を理解したうえで手にすべき時計です。再生素材の雰囲気も含めて、説得力があります(江口)


ショパール

エシカルだけど、実用的な性能もしっかり確保する

ショパール L.U.C 1860

2L.U.C 1860

時計業界ではいち早く、エシカル素材の採用に踏み切ったショパール。今年は再生素材ながら医療用スチールと同様の品質と、それを上回る硬度をもつルーセントスティール™を採用した。ポリッシュ仕上げやサーモン色のダイヤルなど、細部まで美しさにこだわった。搭載ムーブメントのCal.L.U.C 96.40-Lも必見。自動巻き。ルーセントスティール™。ケース径36.5㎜。年内発売予定。¥3,267,000(予価)/ショパール ジャパン プレス

すごくきれいな時計で、ダイヤルの仕上げも素晴らしい。僕は“ムーブメントガイ”ではないのですが、このムーブメントは特別。ジュエラーとウォッチメーカーを完璧に両立している(後藤)

今回の企画の中で、いちばん欲しい時計がコレです(小林)


オリス

伝統的なモデルにディアレザーのストラップを

オリス ビッグクラウン キャリバー473

3ビッグクラウン キャリバー473

オリスのアイコンモデルである針式カレンダーのパイロットウォッチの新作は、手巻き式の自社ムーブメントCal.473を搭載。ぜんまいを巻き上げる味わいを楽しめる。レザーストラップは廃棄されていた鹿の革を再利用して製作。またダイヤルには優しい色合いのブルーを使用、風防のデザインも丸みを帯びており、全体的にやわらかなニュアンスにまとめている。手巻き。SS。ケース径38㎜。¥638,000/オリスジャパン

初めて手にした機械式時計が、オリスなんです。今も手元にありますが、このモデルとデザインはほぼ同じ。それが自社ムーブメントを搭載し、エシカルでもあるなんて、感慨深い(後藤)

ダイヤルが美しい。北欧インテリアの色合いをイメージしているそうですが、ポップな雰囲気もあり、真面目なだけじゃないところがいい(田中)



※文中すべて、SS=ステンレススチールの略です。




Photos:Yoshio Kato(Still)  Mai Shinya(Person)
Text:Tetsuo Shinoda

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