久々に通常開催となった「Watches and Wonders」などで発表された新作時計を、目利きたちが注目のトレンド別にガチレビュー。その魅力を深掘りする!
文化系男子にジャストな
遊びのあるクロノ
機能というよりも
その佇まいに魅了される
後藤 Watches and Wondersを取材したのですが、今年はクロノグラフが豊作。テンタグラフはグランドセイコーの努力の結晶です。
田中 グランドセイコーは、新しい境地に達したのかも。
江口 全般的にスポーティなものが多いのかなと思いましたが、ドレッシーだったりレトロだったり、デザインの幅が広いですね。
かっぴー ぱっと見では、クロノグラフとわからないものもある。
小林 クロノグラフといっても、いろいろな表現がありますね。何本も時計を持っている人が、遊び感覚で楽しむのがオシャレだな。
グランドセイコー
世界的なニュースになったグランドセイコー初のメカクロノ!
1エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001
グランドセイコーとしては初の機械式のクロノグラフ。2020年にデビューした薄型の高性能ムーブメントをベースにクロノグラフモジュールを重ねたCal.9SC5は、1/10秒の計測が可能な高振動仕様で、クロノグラフ稼働時でも72時間連続駆動する。ダイヤルは雫石のスタジオから見える雄大な岩手山の山肌を表現。自動巻き。ブライトチタン。ケース径43.2㎜。¥1,815,000/セイコーウオッチ お客様相談室
ケースやブレスレットはブライトチタン製で軽くていい。スポーツウォッチらしい時計に仕上がっています(後藤)
グランドセイコーには真面目なイメージがありましたが、このクロノグラフには、どこかリュクスな雰囲気もあるところが新鮮!(田中)
エルメス
ポップな外見を保つため機能にまでこだわり抜いた一本
2エルメスH08 クロノグラフ
2021年にデビューした「エルメスH08」に、クロノグラフが追加。特徴的なクッションケースのプロポーションを崩さないように、クロノグラフの操作をリュウズ上の一つのボタンのみで行うモノプッシャー式を採用。ブランドカラーであるオレンジ使いが目をひく。自動巻き。カーボンコンポジット×Ti。ケースサイズ41㎜×41㎜。2024年7月以降発売予定。¥2,145,000(予価)/エルメスジャポン
デザインとカラーリングに華がある。この時計が似合う大人の男性って、かわいげがあっていい(田中)
エルメスらしいオレンジのラバーストラップが、すごくきれい。時計好きの人はもちろんですが、エルメスというメゾンの世界観が好きな人にも愛されそうですね(かっぴー)
A.ランゲ&ゾーネ
圧倒的な技術と憧れを凝縮
3オデュッセウス・クロノグラフ
2019年デビューのラグジュアリースポーツウォッチに、クロノグラフが誕生。初代から継承されるカレンダー用のプッシュボタンを、そのままクロノグラフでも流用させるべく新機構を開発。リュウズが入った状態だとクロノグラフ操作、リュウズを引いた状態ではカレンダー修正できる驚異のメカニズムに。中央の赤針がクロノグラフ秒針で、細針が60分積算計。自動巻き。SS。ケース径42.5㎜。価格要問い合わせ/A.ランゲ&ゾーネ
A.ランゲ&ゾーネというと、本当に時計が好きな人が選ぶブランドというイメージ。憧れがあります。この時計は新機構のクロノグラフですが、複雑そうには見えない。ぱっと見は普通の面構えなのに、ムーブメントはすごい。そのギャップが、カッコいいですよね(かっぴー)
ブライトリング
目と指先で感じるレトロなクロノグラフ
4プレミエ B09 クロノグラフ 40
2つのプッシュボタンで操作する現代的なクロノグラフ機構を1934年に考案した名門ブライトリング。このモデルは1940年代当時のモデルのデザインを彷彿とさせるレトロなツーカウンター表示が特徴となる。さらに当時の空気感を強めるために、あえて手巻き式ムーブメントのCal.B09を採用。毎日ぜんまいを巻き上げる、そのひと手間が愛おしい。手巻き。SS。ケース径40㎜。¥1,050,500/ブライトリング・ジャパン
クロノグラフは蘊蓄も多いけど、僕は直感派。ブライトリングって、男っぽいイメージがあるけど、これはヴィンテージ風ですね。「え、ブライトリングなんですか!」って驚かれたい。のちに名作と評価されそうな雰囲気があります(小林)
ドレッシーなブライトリングって、意外性があっていいかも。ヴィンテージウォッチはハードルが高いと思っている人にこそ選んでほしい(江口)
※文中すべて、SS=ステンレススチール、Ti=チタンの略です。
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Text:Tetsuo Shinoda