時計の実力は、触れて、眺めて、試着しないとわからない。そこで4人の時計愛好家を招いて、注目の新作モデルを中心に品評会を開催! 相応の知識と経験を積んできただけに、まなざしは真剣そのもの。実際に購入する気でチェックし、大いに語り合った。
本気買いモードの愛好家が集まった!
小ぶりで薄く、端正な時計を好む。この日はアンティークのカルティエ「タンク ノルマル」を着用。GSなど日本の時計にも興味あり。
アンティークから新作まで幅広く好み、先日ついに念願のロレックスのヴィンテージクロノグラフを購入。時計欲は誰よりも旺盛!
朝日新聞社随一の服&時計好きで知られ、スイスでの時計フェア取材も行う。最近はパルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF」を愛用。
アンティークウォッチの愛好家で、当日は古いジャガー・ルクルト「レベルソ」を着用。現行の時計も出会いによっては検討したい。
JAEGER-LECOULTRE|レベルソ・トリビュート・スモールセコンド
ムーブメント:手巻き
ケース素材:18KPG
ケース径:45.6㎜×27.4㎜
価格:¥3,564,000
1931年に生まれた傑作で、優美なデザインを継承しながら細部を熟成させてきた。ポロ競技中に風防を守る時計が欲しいという注文から生まれた反転ケースが特徴で、その歴史を反映し、ストラップはアルゼンチンの馬具ブランド、カーサ・ファリアーノがデザインする。ケースの裏面はソリッドバック式。
「ケースを反転させるの、やってみたいですよね(笑)」(西野)
「レベルソは、いつかは欲しい時計。この存在感、やはりひときわ輝いています」(後藤)
「永遠の定番。ゴールドケースにカジュアルなストラップを合わせるバランスが絶妙。カジュアルにつけても上品に映えますね」(水澗)
RALPH LAUREN|THE RL867 28MM
ムーブメント:手巻き
ケース素材:18KRG
ケース径:28㎜×28㎜
価格:¥2,420,000
時計愛好家で知られるラルフ・ローレン氏の美意識を投影したブランド。アールデコ様式を取り入れたとても小さな角型ウォッチには、ピアジェが製作した薄型の手巻きムーブメントを搭載。シャイニーブラックのストラップも美しく、タキシードなどに合わせたくなるフォーマルな一本だ。
「アラビアとローマのインデックスやブレゲ針との組み合わせが面白い」(後藤)
「多段のベゼルとダイヤル、ラグからバックルのベルトシェイプなど、デザイナー目線でもかなり冒険していますね」(尾崎)
「数字をミックスさせたダイヤルのインデックスのデザインがかわいい」(西野)
TAG HEUER|タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ
ムーブメント:自動巻き
ケース素材:SS
ケース径:39㎜×39㎜
価格:¥1,127,500
世界初の自動巻き式クロノグラフを搭載し、1969年に誕生した角型スポーツウォッチ。前衛的と評されたスタイルは、今も刺激的。9時位置リュウズのデザインは、オリジナルに合わせたもの。地中海を思わせるブルーダイヤルも変わらぬ魅力だ。
「逆リュウズの初代スタイル。’70年代のスーツに合わせたい」(尾崎)
「昔から廃れないデザインで、今見てもカッコいい。持っておきたい一本です」(後藤)
「大人になって、ようやくこのデザインのよさがわかってきました。クルマ好きにはたまらない時計でもありますよね」(西野)
個性際立つケースこそ定番に惹かれてしまう
――時計の定番デザインは丸型。だからこそ角型ケースは、さりげなく手元にアクセントを加える名脇役になってくれる。
尾崎 スティーブ・マックィーンがつけたタグ・ホイヤーの「モナコ」は憧れの存在。
水澗 昔からあるブルーがいいですよね。
後藤 ラルフ ローレンの「RL867」もいい。時計黄金期の要素を集積しています。
水澗 確かにアンティークみたいですね。
西野 ケースが反転するジャガー・ルクルトの「レベルソ」も絶対に外せない名機。
尾崎 このモデルは、ストラップがカジュアルなのに、ケースはピンクゴールド。その絶妙なバランスが面白いね。
※文中すべて、SS=ステンレススチール、WG=ホワイトゴールド、RG=ローズゴールド、PG=ピンクゴールド、Pt=プラチナ、Ti=チタンの略です。