時計の実力は、触れて、眺めて、試着しないとわからない。そこで4人の時計愛好家を招いて、注目の新作モデルを中心に品評会を開催! 相応の知識と経験を積んできただけに、まなざしは真剣そのもの。実際に購入する気でチェックし、大いに語り合った。
本気買いモードの愛好家が集まった!
小ぶりで薄く、端正な時計を好む。この日はアンティークのカルティエ「タンク ノルマル」を着用。GSなど日本の時計にも興味あり。
アンティークから新作まで幅広く好み、先日ついに念願のロレックスのヴィンテージクロノグラフを購入。時計欲は誰よりも旺盛!
朝日新聞社随一の服&時計好きで知られ、スイスでの時計フェア取材も行う。最近はパルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF」を愛用。
アンティークウォッチの愛好家で、当日は古いジャガー・ルクルト「レベルソ」を着用。現行の時計も出会いによっては検討したい。
IWC|ポルトギーゼ・オートマティック 42
ムーブメント:自動巻き
ケース素材:SS
ケース径:42.4㎜
価格:¥1,963,500
ポルトガル商人からの注文を受けて生まれた時計「ポルトギーゼ」。高精度を追求するために懐中時計用ムーブメントを使用し、ケースが必然的に大型化した。その伝統は今も継承されており、大型ケースと細いベゼル、端正なダイヤルデザインが特徴。ムーブメントも大型化できるため、ロングパワーリザーブを可能とした。
「細かいデザインをリニューアルしさらにスマートな印象になった」(後藤)
「大型ケースなら、これくらい厚みがあったほうがバランスがいい。ダイヤルの端正な配色も好み」(尾崎)
「昔から好きなデザイン。ラグジュアリーな感じもあるので、シンプルなスタイルと合いそうです」(水澗)
ZENITH|エリート ムーンフェイズ
ムーブメント:自動巻き
ケース素材:SS
ケース径:40.5㎜
価格:¥935,000
放射状に広がる彫り模様のダイヤルで存在感をつくったドレスウォッチ。9時位置のスモールセコンドを目立たせないようにする一方で、6時位置に月の満ち欠けを示すムーンフェイズを入れてアクセントとする。ゼニスの自社製ムーブメント、Cal.エリート692を搭載する。
「この配色は見たことない。落ち着きがあるなぁ」(西野)
「グレーダイヤルの中にネイビーのムーンフェイズが入ると、より引き立って見えてきれいですね」(尾崎)
「ダイヤルの放射状のデザインがかわいい。ムーンフェイズとのバランスも抜群です」(水澗)
PIAGET|アルティプラノ
ムーブメント:自動巻き
ケース素材:18KWG
ケース径:40㎜
価格:¥3,938,000
ケース径を広げてスペースを確保し、エレガントな薄型ケースであっても、実用性と機能性を高める。そんな理にかなった設計思想から生まれたモデルで、9時位置に日付表示を収めつつ、時計の厚さはわずか6.36㎜。ダイヤルにはあえて余白を多く作ることで、ミニマルな美しさを表現する。
「ジュエラーでもあるピアジェの高級感のあるダイヤルが好き」(水澗)
「ピアジェはまだまだ過小評価されているブランドだと思う。作る時計はすごく美しいし、ジュエラーとしても一流ですから」(後藤)
「ケースサイズは今っぽいけど、薄くてとてつもなく上品」(西野)
必然性のあるサイズだから選ばれる理由になる
――端正なドレス系のデザインは、やや大きめな40㎜径以上なら存在感も楽しめる。
後藤 このカテゴリーを代表するのは、IWCの「ポルトギーゼ」ですよね。
西野 このサイズだからこそ実現した、ロングパワーリザーブがすごい。必然性のあるサイズというのが惹かれる理由です。
水澗 ジュエラーでもあるピアジェらしい高級感のあるダイヤルも好きです。
尾崎 でもあえて大径ケースにするには、ちょっとシンプルすぎるかな。
西野 そういうときは、ムーンフェイズはどうですか? ゼニスのこの配色なら落ち着いて見えて素敵ですよね。
※文中すべて、SS=ステンレススチール、WG=ホワイトゴールド、RG=ローズゴールド、PG=ピンクゴールド、Pt=プラチナ、Ti=チタンの略です。