時計は時刻を知るためだけのものではない。大人の腕を飾るにふさわしい、逸品をピックアップした。
Cartier
《カルティエ サントス デュモン》
伊達男サントス=デュモンのためにルイ・カルティエが考案した角形ケースのエレガントな男性用時計をルーツにもち、繊細なローマ数字インデックスやリュウズのカボションなどは、当時のスタイルをそのまま継承している。このXLサイズは機械式だが、薄型ムーブメントを使っているので、ケース厚は7.5㎜しかない。手巻き。SS。ケースサイズ46.6㎜×33.9㎜。¥620,000/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)
VACHERON CONSTANTIN
《ヒストリーク・アメリカン1921》
1755年に創業したヴァシュロン・コンスタンタンは、スイス時計の中心都市であるジュネーブを代表する名門。この地に伝わる伝統的な時計技法や仕上げを取り入れていることを証明する「ジュネーブ・シール」を取得しており、格式高い時計作りを継承している。「ヒストリーク・アメリカン 1921」の優美なクッションケースは、当時流行したアール・デコ様式を取り入れたもの。文化の薫る時計だ。手巻き。18KPG。ケース径36.5㎜。¥3,140,000/ヴァシュロン・コンスタンタン
SEIKO
《プロスペックス SBEX011》
国産ダイバーズ誕生55周年を記念し、代表モデル3つを復刻。こちらは1968年製モデルがベースで、ロープなどが絡まりにくく、また手首への干渉も軽減させるためにリューズが4時位置にある。復刻モデルは深海を思わせる深いブルーグレーを採用し、防水性能も300mに。いつまでも輝きを保つ新しい合金をケース素材に使用。世界限定1100本。自動巻き。エバーブリリアントスチール。ケース径44.8㎜。¥700,000/セイコー プロスペックス(セイコーウオッチ お客様相談室)
JAEGER-LECOULTRE
《レベルソ・クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド》
ジャガー・ルクルトは1833年に創業し、これまでに1250以上のムーブメントを開発してきたスイス屈指の技巧派時計ブランド。同社の定番である「レベルソ」は、1931年に誕生した傑作。直線と曲線を組み合わせるアールデコ様式の優雅なフォルムは、ほぼ変わらずに受け継がれている。「レベルソ・クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド」は、裏側に第二時間帯表示があり、旅の時計としても便利に使える。自動巻き。SS。ケースサイズ縦47㎜×横28.3㎜。¥920,000/ジャガー・ルクルト
A. Lange & Söhne
《A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1》
ドイツ東部の大都市ドレスデンの郊外にある小さな町グラスヒュッテにて、1845年に創業。スイス時計をも凌駕する品質で知られていた。戦後の休眠を経て1990年に会社が復興。’94年に復興第一弾として4モデルを発売。「ランゲ1」はその一つで、表示を重ねないことで視認性を高めるデザインが特徴。大型カレンダーは創業者が考案したザクセン州立歌劇場の5分時計をイメージしたもの。手巻き。18KPG。ケース径38.5㎜。¥4,477,000/A.ランゲ&ゾーネ
※文中すべて、SS=ステンレススチール、PG=ピンクゴールドの略です
Photos:Yuichi Sugita[POLYVALENT]
Stylist:Yuta Fukazawa
Composition&Text:Tetsuo Shinoda