世界初の実用的な男性用腕時計として知られる「サントス ドゥ カルティエ」が現代的にアップデートされた。身につけたのは新しい道を切り開きながら人生を歩む3人の現代の開拓者たち。革新、挑戦、スリル。その道を選択することの愉しみとは。
The Santos Man #1 伊勢谷友介 Actor/Rebirth Project Founder
俳優、監督、芸術家。さまざまな顔をもつ伊勢谷さんだが、今は衣食住、エネルギー、教育にかかわる社会活動を行う会社、リバースプロジェクトにも力を注ぐ。
「人々ができるだけ楽しく、少しでも長く過ごせる環境をつくっていきたい。シンプルにそう考えているだけなんです。使命感というほど大したことじゃないですよ(笑)。今は社会問題や環境問題などいろいろ複雑ですが、気づいた誰かがやらなければいけないですから」
けっして主役は自分ではない、という考え方も印象的だ。
「一人のヒーローが世の中を変える時代じゃない。必要なのは、みんなが新しいことを始めやすい環境なんです。僕はそのプラットフォームをつくっていきたい」
既存のルールを変えて未来をつくる。視線の先にあるものは大きい。
The Santos Man #2 谷尻 誠 Architect
開口一番「僕はすごく性格が悪いんです」と谷尻さん。物事を斜めに見るし、すごくあまのじゃくでもある。でもだからこそ、今までにない面白いものが出来上がる。
「大事なのはコントラストだと思うんです。何を作るにしてもそこに裏切りがないと人は驚かない。これはあらゆるジャンルに共通することだと思うんですよね」
とはいえ、これだけヒトもモノもコトも情報もあふれ返る今、新鮮な裏切りを見つけること自体が難しいのでは?
「だからこそチャンスなんです。そこで新しいものを提示できたら一気に評価が上がる。僕はそういうふうに思ってしまうタイプ。もちろん困難な道です。でも、できるかできないかじゃなく、やると決めてしまう。そうすると意外と迷いなく進めるものなんですよ」
The Santos Man #3 リヒト Model
「どちらかというと僕は受け身なんです。だから自分で何かを切り開いてきたというよりも、そのとき偶然起きた波に乗りながらここまでやってきたという感じかな」
本来は安定志向だというリヒトだが、結局のところその波に乗ることを決断したのは自分だし、どの波に乗るかも選んできた。自ら選択してきた道に変わりない。
「臆病なりにもスリルを求めているのかもしれませんね。だから面白そうな話にはついのってしまう。大して自信がなくてもそこに飛び込んでしまうのは、誘ってくれるってことは『こいつならできるんじゃないか』と思ってくれているのかもしれないから。やれるだけやってみると意外といいことが起きたり、喜んでもらえたりするんですよね」
スリルは人生を面白くする。冒険心は大事だ。
※文中すべて、SS=ステンレススチール、YG=イエローゴールド、PG=ピンクゴールドの略です。
Photos:Takemi Yabuki[W]
Takahiro Idenoshita(Makoto Tanijiri)
Hair&Make-up:Shinya[Primal](Yusuke Iseya, Rihito)
Stylist:Naoki Ikeda
Models:Yusuke Iseya, Makoto Tanijiri, Rihito[UOMO Model]
Text:Jun Namekata[The VOICE]