スイスの腕時計ブランド、ROLEX(ロレックス)がコーポレート フィランソロピーのひとつとして創設した「ロレックス賞」を知っているだろうか。持続可能な未来に貢献する人々に贈られる賞だというのだが…その詳細と今年の受賞者を紹介しよう。
45年前、ロレックスが世界初の防水腕時計「オイスター」の誕生50周年を記念して創設した「ロレックス賞」は、持続可能な未来のために革新的なプロジェクトを推進する個人に贈られる賞だ。
この度、2021年度「ロレックス賞」の受賞者が発表された。139カ国1,659人の候補者の中から選ばれた5人は、海洋学者、環境活動家、極地探検家、社会起業家、地理学者で気候変動の提唱者など、その肩書きは多岐に渡る。また、ブラジル、ネパール、イギリス、アメリカ、チャドと出身地もさまざまだ。
では、受賞者5人の活動を紹介していこう。
フェリックス・ブルックス-チャーチ
アメリカ出身。主食を強化するため、重要な栄養素を添加する“ドースファイアー”という機械を農村の製粉工場に設置することで、タンザニアの栄養失調を根絶する活動を行なっている。
ヒンドゥ・ウマル・イブラヒム
チャド出身。先住民から受け継がれてきた知識を活用して、サヘル地域の天然資源のマッピングを行い、気候変動による対立を防ぐ取り組みを行なっている。
リンジン・フンジョク・ラマ
ネパール出身。世界的に絶滅の危機にある哺乳類が生息するトランス-ヒマラヤ地域の豊かで多様な生態系を、地元コミュニティと協力して保護する活動を行なっている。
ジーナ・モズリー
イギリス出身。北極圏の気候変動に関する知識を深めるために、地球最北端の洞窟を探索する初の遠征隊を率いることを目指している。
ルイーズ・ロシャ
ブラジル出身。インド洋のメソフォティックゾーンにあるサンゴ礁とその生物多様性の探索と保護、そして、ほとんど知られていない生態系の保護の強化に取り組んでいる。
5人の受賞者には、プロジェクトのための資金が提供され、他にも世界的な認知により更なる支援を得られるなどのメリットがあるようだ。ここに選出されることは、活動家にとっては大きな名誉といえる。
そんな賞に輝いた5人はきっと、今後の活動を発展させ、世界の未来をより良いものにしてくれるに違いない。