いい意味で目立たないので、ほとんど気づかれない
「昨年9月の誕生日に、江口時計店でゴールデン・エリプスを購入しました。昨年は結婚に妻の出産、法人化、新記事業の立ち上げなど、人生におけるイベントが凝縮した激動の一年でした。その記念として買った意味合いが強いですね。カラトラバかゴールデン・エリプスで迷いましたが、カラトラバは愛用している知人が多いのと、ゴールデン・エリプスの美しさと収まりの良さに惹かれました。これを着けていて気づいてくれた人はこれまでに数名。最初に気づいてくれたのが金子恵治さんでした。目立たせたくはないけれど、気づいてもらえると嬉しい。矛盾していますよね(笑)。今後もひっそりと愛用していきます。あとは、自分の誕生日の3日後に生まれた娘に将来譲れるサイズということが、最大の言い訳になりました(笑)」
「大きなフェイスの時計が好みではなく、34mmくらいのものに惹かれることが多いです。ロレックスの“Ref 5500”もよく着けていますが、それも34mmくらい。一本筋の通ったスタイルを持つ大人は格好いいと思いながら、自分は性格的にも仕事的にも、いろいろな服を着てみたくなるので、何にでも合わせられるところが重宝しています。ホワイトゴールドの主張のなさもお気に入りですね」
「ロレックスのデイトナやサブマリーナーなど、ゴツくて精巧な時計にモノとしての美しさは感じますが、実際に着けるとなると自分には合わないと思います。現実的に欲しいと思うのは、ゴールデン・エリプスと迷ったカラトラバ。時計の美しさの基準を作ったモデルと解釈しているので、そこに敬意を持ちつつ、いつか身につけてみたいです」
1988年生まれ。新卒で広告代理店に入社し、その後ウェブマガジン『フイナム』の編集者に。2018年よりフリーランスのエディター・ライター・コピーライターとして活動開始。現在は「TAIYO INC.」と複合スペース「Conglomerate ii」を設立し、編集、クリエイティブディレクション、イベント企画など多角的に活躍する。
Photos: Yumi Yamasaki
Text: Yasuyuki Ushijima