ブランドの挑戦する姿勢を感じる
「ナイスネスの服はどこか懐かしさや温かみがあって、今のスタイルに馴染んでくれるものばかり。ナイスネスのフィルターを通すことで生まれるプロダクトには、詩や音楽に近い文化的なものを感じます。このジャケットもまさにそう。モチーフとなっているのは20世紀初頭に登場し数多くの女性に愛されたアイコニックなジャケットですが、そのデザインの強さを消すのでも隠すのでもなく、そこに1970年代のフィッシングウェアのディテールや胸元にあしらわれたレザーといったナイスネスの要素を加え、新しい価値観を創造する。その難易度はとてつもなく高いものだと思います。その姿勢といいますか、挑戦に近い度胸や覚悟を、このジャケットに袖を通したときに感じました」
「 “普遍性と独創性の高次元での融合”が私にとってのナイスネスのイメージ。それを体現したかのようなこのジャケット、実はリバーシブルなんです。首もとを見てもらうと分かると思いますが、裏側は虹色のようなカラフルなツイード。表面のもつ優雅さとは異なり、裏面は金属ボタンが水牛ボタンになるなど、もう少しカジュアルな印象に。巷でよく聞く『この服はリバーシブルだから実質半額』という迷文句を、初めて身をもって感じています(笑)」
ジャケット:NICENESS
スウェット:COMOLI
パンツ:TOD’S × Hender Scheme
ベルト:ISSEY MIYAKE
シューズ:J.M. WESTON
アクセサリー:HERMÉS、18K
「ジャケットのもつパワーを引き立たせるよう、ワントーンでまとめました。ジャケットに施されたブラウンレザーを、パンツのヒップポケットに付いているレザー、ブラウンのローファーなどで拾ったのがポイントです」
Interview&Text:Mayu Yamamoto