危険なアイテムほど挑戦したくなる
「メゾンとスポーツブランドとのコラボって、いつの間にか当たり前のものになり驚きがなくなりましたが、このボーディとナイキのコラボにはとにかく心踊らされました。そもそも、高いクラフツマンシップを持つボーディが大好きなのですが、スポーツブランドと組むことで生み出される化学反応には期待しかなく、コレクションの中で最も着てみたかったのがこのベスト。手にした最初の感想は、『難しい!』です(笑)。ワッペンのデザインとバランス、淵にあしらわれた花のブレードなど、最高なのは言わずもがななのですが、ビブスそのままの生地も相まって、一歩間違うとコスプレになってしまいそうな危険なアイテム。これほどまでにコーディネートを考えている時間を楽しめた服は、なかなか他に思い当たりません(笑)。どこへ行くでも、誰に合うでもなく、この服を着ることを目的に出かけたい。そんな風に思える一着です」
「ベストを全面に押し出したようなコーディネートをしてみたいですね。例えば、オールホワイトにしてこのベストを着用し、足もとにビーサンを合わせれば、きっと今夏の不快な暑さも、少し楽しめるような気がしています。また、このベストが最も威力を発揮するのはインナー使いだとも思っていて。なので、秋口からはインナーとして着て、シャツやジャケットの前を閉めずに、見せるスタイリングを披露したいですね」
ベスト:BODE×NIKE
Tシャツ:HERMÈS
パンツ:VINTAGE
スニーカー:VINTAGE NIKE
アクセサリー:HERMÈS、18K
「どう転んでも目立つベストですが、今回はそれを馴染ませるようなコーディネートを目指しました。一番こだわったのはベストの下に着るもの。同系色のドレス寄りのTシャツにすることでベストとのアンサンブルな雰囲気を出し、スポーティながらも少しモードなニュアンスを演出。パンツを同系色のクラシカルなストライプ柄フレアパンツにしたのも、全体のバランスを整えるのと、スニーカーへの導線としたかったため。レザーシューズならばデニムを持ってきても良いかなと思ったのですが、どうしてもこのベストには、80年代のヴィンテージのナイロンコルテッツを合わせたかったんです! なので、あくまで馴染んで全体とリンクするようなパンツを選びました」
Interview&Text:Mayu Yamamoto