今の気分を投影した理想の白ジャケット
「白のジャケットってタキシードのようにキザ過ぎてしまったり、カバーオールのようにワーク色が強かったり、よい塩梅のものってなかなかないんですよね。そんな中出会ったアルマーニのジャケットは、今の気分を投影したかのような理想形。夏にも着られる薄手の生地で、着丈は長め。軽くシェイプされたウエストに、程よく構築的な肩周りは、まさにアルマーニのなせる技。少し昔の自分であれば敬遠しそうなシルエットですが、このジャストサイズこそ今求めていたものでした。1つボタンやカラーレスなところもイタリアな雰囲気があって、何周か回ってまた新鮮です」
「このジャケットにはハイウエストのパンツを合わせたいので、コーディネートを組む際はパンツから考えます。スラックスにビーサン、90年代のディッキーズにローファーなど、“カジュアル+フォーマル”を意識しながら組みたいですね。イギリス軍のグルカパンツにも絶対に合うと思うので、サイズアウトしてしまったものを新調しようかな」
ジャケット:EMPORIO ARMANI
インナー:hanes
パンツ:Levis 505 80s
シューズ:Paraboot
ベルト:AURALEE
アイウェア:Savilerow eyewear
アクセサリー:HERMÉS、18K
「ジャケットのドレッシーさが引き立つよう、他のアイテムは思いっきりカジュアルに振り切りました。インナーはシンプルに白Tを合わせて。ただ、ジャケットの透け感に干渉してノイズにならないようTシャツの袖をセルフカットし、ノースリーブにしています。パンツは普通のデニムでは飽き足らず、激しくクラッシュしたものを。このジャケットと合わせるだけで、かなりのダメージが中和されるんです。そして足もとにグルカサンダルを持ってきたのは、コーディネートの裏テーマでもある“いやらしくない肌見せ”を完結させるため。ジャケットの透け、パンツのクラッシュ、靴の編み込み。どことなく上品に見えるよう、年相応のバランス感覚を忘れずに肌色を配置しました」
Interview&Text:Mayu Yamamoto