トボけた表情に癒される
2024年に読んだマンガの中で特に印象深かったのが、南伸坊の『仙人の桃』。いろいろな中国怪異譚を描いているのですが、1話目の魏の時代の仙人・修羊公の話を描いた「仙人の締め切り」からめっぽう面白い。また、それぞれのマンガについている南さんのミニエッセイもパンチラインだらけ。「締め切りをズルズル延ばす。というのは、書き手にとって気のもめることでもあるけれども、ある面、奇妙に解放感のともなうことでもあります。つまり、やらなきゃいけないことがあるのにやらないでいる一種の贅沢感」という一文があったり…最高です。
マンガの中にいろいろな「唐子」が登場しているということもあって、中国の古典をモチーフにした器を多くつくっている「新道工房」の猪口を見たら欲しくなってしまいました。このぶら下がっている唐子も、なんだかトボけた表情でいい。唐子の箸置きもかわいかったので、買い足したいです。
編集
中林龍平
カルチャー・食担当。トレードマークは、ボリューミーなパーマ(入稿・校了時、1.5倍増)。一年中ほぼシャツ、冬だけニットもあり。年始に琺瑯鍋とフライパンを新調したので、きちんと自炊ができるようになりたい。
Movie:Mitsuo Kijima
Stylist:Rui Goto
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Editor Shibutsu