いかにエキセントリックに着るか
自分の殻を破りたくなると、いつもゴダールの笹子さんを訪ねる。ゴダールはフレンチトラッドやクラシカルな紳士服を扱う洋品店。ではあるが、当の笹子さんはバレンシアガの”ディフェンダー”を履くこともあれば、パタゴニアのフリースに古着のショーツを合わせている日もある。自分が通ってきたカルチャーやデザインを巻き込みながら、気分も拾って着こなしをセンスよくアレンジしてしまう。
そんな笹子さんだから、オリジナルでヴィンテージ風スウェットを作るにしても、こんな淡いピンクなどを平気で作ってしまう。ピンクがいいという直感は自分にもあった。けど、色が濃いストレートデニムと合わせて主張をプラマイゼロにしようとする思惑。すると笹子さんは静かな口調で「フラミンゴできれいなウッドランドカモのカーゴを買って合わせるのはどうですか。足元は白のエアフォース1で、あとはキャップ。ダサいと思うけど…ギリいけるんじゃないかな(笑)」。
そんなコテコテの格好できるわけ、と思ったが、同時に、きっと自分の頭だけで考えたら死ぬまで出てこない…となれば買いに行くしかない。そして翌々日、言われたとおりにフラミンゴできれいなカモフラのカーゴを買っていた。合わせてみると、これがいい。「一見するとキツいコンビだけど、実は一緒に食べると美味い」的なやつですかね。今回も見事に殻を破れたのでした。感謝!
クルマと時計担当。幼少期からのクルマ好きで、大学時代は自動車部に所属。ウェブでは「文化系ネオクラシック車と30人の男たち」も手掛けた。愛車はアルファロメオの「ジュリア」。クルマはイタリア車好き、ワードローブはカジュアルなフレンチスタイルが好み。猫舌のため一年中、アイスコーヒー派。
Movie:Mitsuo Kijima
Stylist:Rui Goto