わからない。でも「何かいい」
原稿でファッションネームを書いていると、もういっそ全部「何かいい」でよくないか? と思ってしまうことがある。裏打ちされた情報に惹かれて買い物することも多いけれど、「これ何かいい」で選んだもののほうが意外と長く使ってる。そういうものでも、それなりに何かしらの「理由」がないわけではないけど、直感から入ってあとは全部「後付け」な気がする。
このガラスベースもそう。西村 青さんは富山在住のガラス作家。あのピーター・アイビー率いる流動研究所で働く傍ら、吹きガラスによる自分の作品づくりも行っている……のだけど、そのあたりの情報は抜きにして、ただこのカプセル状のフォルムが美しい。そもそもこれ用途は何なのか。上部に穴が開いているのでフラワーベースかな? とは思うけれど、どんな花を活けていいのかわからない。実際、他人から「これは何?」と聞かれても「わからないけど、何かよくない?」としか答えられなさそう。実際、今もそうだし。なのにLとM、2サイズも買ってしまった。わからない。
副編集長
吉﨑哲一郎
大人の文化系男子のためのマンガレーベル「UOMOマンガ」では、かっぴー先生と福満しげゆき先生の連載を担当。セルカークレックスの愛猫「ほこり」を飼い始めてからは、静電気を発しない素材や毛が付いても目立ちにくいグレーを選ぶなど、“猫ファースト”のワードローブにシフト中。
Movie:Mitsuo Kijima
Stylist:Rui Goto
最終更新日:2024.07.03
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Editor Shibutsu