日常で気兼ねなく掛けられる。金子眼鏡店のクラウンパント「KA-64」
言葉にすると陳腐になるが、眼鏡はそれとなく知性を感じさせるものを選びたい。日差しが強い日あるいは真夏になると、気持ちが浮かれてしまうのか、サングラスはファッションとして主張できるものが好きだけれど、眼鏡には不思議とその欲が湧かない。
そんな自己満足を叶えてくれるのが、クラウンパントのフレーム。ラウンドやボストンよりも個性が出すぎず、適度にエッジが立っていて顔にメリハリもつけられる。クラウンパントはフレームフランスと呼ばれるヴィンテージが有名だけれど、あちらは全体のラインに繊細さがなく、むろんアジアンフィットでもないため、どうしてもメガネに合わせにいくような感じがある。それはそれでアリだが、もう少し普段使いに寄り添ってくれるモダンなフレームのほうが、日ごろから気兼ねなくかけられていい。
と、ここまで語っておいて両目の裸眼視力は1.5。「なんだ、メガネいらねーじゃん」と言われたらぐうの音もでない。書いていて、実用ではなく演出でメガネをかけることこそファッション的主張ではないかと気づいてきた… いやぁちょっと恥ずかしい。
編集
西坂和浩
クルマと時計担当。幼少期からのクルマ好きで、大学時代は自動車部に所属。ウェブでは「文化系ネオクラシック車と30人の男たち」も手掛けた。愛車はアルファロメオの「ジュリア」。クルマはイタリア車好き、ワードローブはカジュアルなフレンチスタイルが好み。猫舌のため一年中、アイスコーヒー派。
Movie:Mitsuo Kijima
Stylist:Rui Goto
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Editor Shibutsu