俳優としての実力はもちろん、トラッドファッションへの造詣も深い光石研さん。肩肘張らない品のある等身大の着こなしと、愛用カラーのネイビーを基調としたスタイリングに定評がある。
そんな光石さんのために2024年の最新ダウン&中綿アウター5着を編集部がセレクト。果たして光石さんがリアルバイしたくなる一着は見つかるのか…。
1. WOOLRICH OUTDOOR LABEL|ARCTIC CLASSIC FIT PARKA
1830年、ペンシルベニアで創業したウールリッチ社。その伝統と歴史を受け継ぎながら、現代の日本のライフスタイルに寄り添うアウトドアウェアを提案しているのが「ウールリッチ アウトドアレーベル」だ。アメリカンアウトドアの黄金期である1960年代から70年代のアーカイブに着目し、当時のデザインエッセンスを現代的に解釈したコレクションを展開している。
光石:このダウン、なんだか懐かしい感じがするんだけど...。
——目の付けどころがさすがですね。ウールリッチの70年代のアークティックパーカーがベースになっているんです。60/40クロスという伝統的な生地にCORDURAを使用したもので、クラシックな表情に現代の機能性を加えているモデルです。
光石:へえ。たしかに子供の頃に見たアメリカのアウトドアブランドの雰囲気を感じますね。このゆったりしたシルエットとか、ポケットの作り、それにフードのファーとか。
——そうなんです。オリジナルの無骨さは残しつつ、ポケットやボタン、コードストッパーのブタの鼻と呼ばれるディテールを現代的に解釈し直しているんですよ。素材も表地は綿60%とナイロン40%のバランスが絶妙で、ダウンを90%使用している。保温性は間違いないです。
光石:たしかにこれはあったかい! ロケ撮影の現場に着ていくのにもバッチリでしょ。このラムファーのフード、顔周りの防寒に良さそうだし。でも単なる機能性だけじゃなくて、ちゃんとファッションとして着られるデザインなのがいいですね。外側にダウンパックが見えてないところも好きです。
——カラーはベージュ、チャコール、グリーン、ネイビーの4色展開ですが、やっぱり光石さんが選ぶのはネイビーなんですね(笑)。
光石:はい。このクラシックなアウトドア感のあるネイビー、好きですねぇ。
2. POLO RALPH LAUREN|Gorham Corduroy Down Jacket
1967年の設立以来、アメリカン トラディショナルの金字塔として、世代を超えて支持されるポロ ラルフ ローレン。伝統的なアイビーテイストを基調としながら、モダンなエッセンスを効果的に取り入れることで、古さを感じさせない洗練されたワードローブを提案し続けている。今シーズンはブランドを象徴するポニーの刺繍入りの定番人気ダウン「Gorham」の新作に、コーデュロイ素材が登場。
——光石さん、次にご紹介したいのが、ポロ ラルフ ローレンの新作コーデュロイダウンジャケットです。実は結構技ありの一着で...。
光石:へえ、面白いですね。コーデュロイのダウンって珍しいですよね。普通のナイロンじゃないところが気になります。
——そうなんです。太畝のコーデュロイを使っているんですが、撥水加工が施されているんですよ。見た目はクラシカルなのに、機能性もしっかり考えられている。650フィルパワーのダウンも採用していて、保温性も申し分ナシです。
光石:650フィルパワーって、どのくらいの位置づけなんですか?
——アパレルだと450~1000の間で展開されることが多いんですが、650というと中~上級くらいですね。街着として十分すぎる保温性があります。
光石:ディテールも考えられてますね。フードが取り外せたり、首元の擦れを防ぐフラップがあったり...実用的ですよね。
——ポケットも豊富で、胸ポケットに加えて、ウエストに2つ、さらに内側にも付いています。
光石:左胸のポニーの刺繍も、コーデュロイの素材感と相まって上品な印象ですね。カジュアルになりすぎない。シルエットもスッキリしていてきれいめに着られそう。
——あとコーデュロイなので着込むほど味が出でて、長く付き合える一着になりそうですよね。こちらはネイビーとブラウンの2色展開ですが…。
光石:トレンドのブラウンも素敵ですが、僕が着るならネイビー一択ですね(笑)。
3. MONCLER|Verone Short Down Jacket
1952年にフランスで誕生して以来、アウトドアウェアの革新者として歩み続けてきたモンクレール。「モンクレール リアイコン」は、そのDNAを色濃く受け継ぎながら現代のラグジュアリーの文脈で再構築されたコレクション。さらにダウンの詰め方から縫製に至るまで、すべての工程においてモンクレールならではの卓越性が貫かれている。
「モンクレール リアイコン」の第3弾は、袖を取り外せばダウンベストとして着られる2WAYかつリバーシブルの「Verone」。
——光石さん、今回のモンクレール リアイコン第3弾の「Verone」について、最初の印象はいかがでしたか?
光石:クラシックなアウトドアのテイストなのに、すごく上品だと思いました。アーカイブモデルをベースにしているとは思えないほど。両肩のマット素材による切り替えも絶妙にモダンな印象。
——たしかに。モンクレールらしい革新性が感じられますね。特筆すべきは、袖が取り外せる機能性ですよね。
光石:実際にやってみると...(その場で袖を外してみる)。
——おお、さっそく試していただきましたね(笑)。
光石:これが意外とスムーズに。そして、ベストになった時のシルエットがまた良い。
——完全に別の一着になりますね。
光石:撮影のときにも2WAYのダウンは便利そうです。肌寒い早朝はジャケットとして着て、昼間は袖を外してベストとして着られる。
——なるほど。着こなしの幅も広がりそうですよね。
光石:冬はトップスにニットを着ることが多いんですが、そこにベストとして合わせるといい具合にカジュアルさと品の良さがミックスされて良いですね。犬の散歩で近所に出かけるときとか、わりと動くときにも使いやすそう。
——リバーシブル仕様についてはどうですか?
光石:ああ、それが面白くて。(裏返しながら)片面のコーティングナイロンは落ち着いた質感なんですが、反対側のポリエステルは光沢があって。試着する前は「本当に両面使えるのかな」と思っていたんですが、どちらも完成されてますね。
——両面にジップポケットがついているのも特徴的ですね。
光石:そうなんです。これも試着して初めて気づいたんですが、リバーシブルなのに両面でポケットが使える。細かい配慮を感じますね。
——カラーは光石さん着用のエレクトリックブルーのほかに、ブラウン系、ベージュ系、ブラックなど6色展開です。
光石:僕は断然このエレクトリックブルーですね。この懐かしい感じのブルーにグッときます。ところで思いついたんだけど、このダウン、袖だけ通せばアームウォーマーとしても使えませんか? 3WAYかも?
——た、たしかに...(笑)。
4. LAVENHAM × SHIPS|KEDINGTON
1969年創業、英国が誇るキルティングウェアの老舗ラベンハム。ブランドの核となっているのは、独自開発の高密度ポリエステル生地。耐久性と保温性を兼ね備えながら、軽量で扱いやすいという特徴を持つ。
伝統的なキルティングジャケットの代名詞として知られているが、近年ではアーバンユースにフォーカスした新ライン展開や、セレクトショップとのコラボレーションモデルなど、現代のライフスタイルに寄り添ったアイテム開発にも意欲的。
——こちらはシップス完全別注モデルの「KEDINGTON」ジャケットです。暖冬が続いているので、ライトめな中綿アウターのなかでも光石さんに似合いそうなジャケットかなと思って選びました。
光石:僕、ラベンハムは好きで定番モデルの「RAYDON」かな、そっちは持ってます。暖冬だから東京ならこれくらいライトなアウターでも過ごせるかもしれないですよね。普段はスーツの上から着たり、ちょっとボリュームのあるシェットランドセーターの上に着たりしてます。
——レイヤードで温度調整できるというのはこれからの冬アウター選びのポイントになりそうです。
光石:ダウンが苦手な人にもいいよね。あとステッチが斜めに入っているのもいいんだよね。柔らかい印象になるっていうか。
光石:あれ、なんかちょっと着丈長い?
——そうなんです。KEDINGTONは、RAYDONより4cmほど着丈を長くしているんですが、この絶妙な調整で、スーツスタイルでも違和感なく着られるように作られています。
光石:そうそう、4cmって聞くとわずかな違いに思えるけど、着てみると全然違うよね。それにスラントポケットになってるのも洒落てますね。
——はい。今回のモデルでは袖の収まりも改良されていて、より着やすくなっています。イギリス製でポリエステル素材というラベンハムならではの品質はそのままに、より実用的になった印象です。
光石:イギリス製っていうのも信頼感があるよね。昔からの物作りの伝統を感じるというか。
——まさに、伝統と革新のバランスが取れた一着という感じですね。
5. Brooks Brothers|WOOL DOWN VEST
創業1818年。アメリカ最古のアパレルブランドとして、200年以上にわたりアメリカン・トラディショナルのスタイルを体現し続けてきたブルックス ブラザーズ。これまでにポロカラーシャツ(ボタンダウンシャツ)をはじめ、時代を超えて愛され続けるアイテムの数々を生み出してきた。
今シーズンの冬アウターには、上質なウール素材を使ったON/OFF使えるダウンベストがラインナップ。
——スポーティーなダウンベストって若々しすぎて、大人にはちょっとハードルが高いと思うんですが、これは大人っぽいですよね。
光石:いいですよねぇ、この生地感(ベストに手を触れながら)。ウールとポリエステルのブレンドで、すごくマットで艶っぽくない。なによりもネイビー好きとしては、このネイビーの色味がすごく気に入りました(笑)。落ち着いた大人の色って感じで。
——なるほど。普通のダウンベストにありがちなテカテカ感がない。
光石:それに、ダウンベストってクルマを運転するときにも便利ですよよね。コートだと動きづらいことがあるんですけど、このベストなら着たままでも腕の動きが自由だし、シートベルトもスムーズに装着できる。
——ブルックス ブラザーズらしい気の利いたディテールも素敵ですよね。このボタンを見てください。ブランドロゴと1818年の創業年が刻印されているんです。
光石:(ボタンを見ながら)ほんとだ。さすがブルックス ブラザーズ。こういう伝統と誇りを感じさせるところ、いいですよね。
——内側の総裏地も見逃せないポイントです。フロントはスナップボタンとジップの二重仕様で、これも実用的。
光石:ポケットの位置も絶妙でしょ? 両サイドに一つずつあるんですけど、手を入れやすい高さなんです。
——カラーはネイビーのほかに、ブラウンとグレーの3色展開です。
光石:このネイビー、僕すごく好きなネイビーです(笑)。いやぁ、本当に気に入っちゃいました。ダウンベストってスポーティなタイプしか持ってなかったし、今年買うならこれかも!
ブルックス ブラザーズ ジャパン TEL:0120-02-1818
ウールリッチ アウトドアレーベル 代官山店 TEL:03-6416-5196
ラルフ ローレン TEL:0120-3274-20
モンクレール ジャパン TEL:0120-938-795
シップス 銀座店 TEL:03-3564-5547
マスターピースショールーム TEL:03-6407-0117
ビームス プラス 原宿 TEL:03-3746-5851
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