「時計をつけて、スタイルが完成します」
「父から譲り受けた“タンク”を愛用し、3年前には自分で二代目を購入しました。腕時計をしない日は無く、特にこの“タンク ソロ”を偏愛していますね。スマートフォンにスポーツウォッチなど、時間の確認ができるツールが溢れている今の時代、クラシックな時計には佇まいとしての魅力を求めたい」
「“タンク”って、余白のある時計だと思っています。存在感のある大ぶりなものや硬派な印象の時計もある一方、これは何かを主張しすぎない。その自由度が自分の気質に合っているのかな。予定に関わらず付けられる軽さがあり、フラットで薄手の文字盤はシャツやジャケットの袖口を邪魔しないので実際に付けていて楽なんです。視認性にこだわりすぎないデザインには遊び心も感じますが、もちろん品もいい。『今日も折目正しく、お電話も丁寧に…』という気分になれますね(笑)」
「派手に飾ったような服があまり得意ではなくて、今日はサンリミットの白シャツをシオタのチノパンにタックイン。気付けばウディ・アレン的なクラシックなコーディネートでしたが、そこに“タンク”が品よく遊び心を加えてくれた気がします。服を選んだら最後に時計を付けるのは毎日の習慣ですね。それは自分にとって、身支度が整った合図のようなもので……。一日を気持ちよく過ごすために必要なんです」
映画配給・映画館運営会社勤務。プロデューサー。30代からスムースレザーベルトの“タンク”を愛用し、43歳の時にアリゲーターストラップの2代目を購入した生粋のタンキスト。
Photos:Takahiro Idenoshita
Text:Takako Nagai