「“タンク”は自分が身に着ける唯一のアクセサリー」
「21歳のとき、この“タンク フランセーズ”を買うためにお金を貯め、現金を握りしめてカルティエのブティックに買いに行きました。他に“レ マスト ドゥ カルティエ”など数本持っているんですが、初めての“タンク”ということもあり、思い入れが深い1本です」
「当時働いていたセレクトショップでドレスの販売員をしていて、採寸したりオーダーシートに書き込んだりとお客様に手元を見られる機会が多かったんです。お客様にここで買ったよかったと思っていただけるように、いい時計が欲しくて選んだのが“タンク フランセーズ”。 “タンク フランセーズ”ってステンレスやゴールドのブレスレットタイプが多いんですが、限定でレザーストラップのLMサイズが出るのを知り、これはかっこいいと意を決して買いました。時計と合わせてカルティエのペンも購入し、手元に“箔をつける”ことはすごく意識していましたね」
「最初は黒のバックル付きのストラップだったんですが、バリエーションを増やしたくてアンティークウォッチの店でベルトをオーダーしています。色をネイビーにしたり、素材をクロコにしたり、自分で簡単に替えられることもあって装いや気分に合わせてベルトを選んでいます」
「昔読んだ本に『腕時計だけが男にとって許されるアクセサリー』と書いてあったことに影響を受け、それ以来リングもネックレスも着けず腕時計を唯一のアクセサリーにしています。厳格なルールのなかで、“タンク フランセーズ”はスーツからカジュアルな服、さらには和装にもフレキシブルに合ってくれるから重宝しているんです」
国内外のブランドPRを行なうとともに、最近ではバッグブランド「モノリス」のディレクターを務め、ソックスブランド「クルールン」をスタートさせるなど、八面六臂の活躍を見せる。
Photos:Katsunori Suzuki
Text:Masato Nachi