「ブラウンという色の魅力を“タンク”が教えてくれた」
「ヴィンテージの“レ マスト ドゥ カルティエ”を手に入れたのは、ちょうど30歳になるタイミング。まわりの素敵な諸先輩方を見習って、少しずついいものを集めていきたいと考え始めた時期でした。当時はちょっぴり背伸びしていて気負いもあったけれど、今の私は時計に合わせて、アクセサリーや洋服を自然に選ぶことができる。年齢を重ねてようやく、憧れの“タンク”と肩を並べているという手応えを感じられるようになりました。
「10年近く経って、30歳のあのときの自分の選択は正しかったのだと改めて実感しています。実は購入したときのストラップは黒でした。でもある時期から、なんだか黒が自分に似合わなくなった気がして、しばらくお休みさせていたんです。久しぶりにつけようとメンテナンスに出したとき、思いきってストラップをブラウンに変えてみたら、途端に今までと違った時計のように見えて、手持ちの洋服にもしっくりくるようになりました。それまでレザーの小物といえばずっと黒一辺倒だったのですが、ストラップを変えたことがきっかけでブラウンがワードローブに増えて、今では欠かせない私の定番カラーに。“タンク”が着こなしの幅はもちろん、視野も広げてくれたんです。」
「何年経っても変わらない普遍的なフォルムや華美すぎない上品な雰囲気は、今までもこれからも愛すべき理由。私にとって『一緒に成長してきたね!』と誇れる同志のような存在です」
ヴィンテージで購入したという“レ マスト ドゥ カルティエ”。「メンテナンスをしながら経年変化を楽しみたい。黒のストラップに戻す日が来るのも待ち遠しいですね」。
モデル、女優、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。趣味は料理とマラソン。著書『高山都の美食姿』(双葉社刊)シリーズ1~4も好評発売中。
Photos:Yusuke Raika(aosora)
Hair & Make-up:Aya Iwasawa
Composition & text:Kumiko Nozaki