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「これ見よがしではない最先端に惹かれる」
2021.09.14
最終更新日:2024.12.18

「これ見よがしではない最先端に惹かれる」

篠田哲生|時計ライター

「機械式だからって偉いわけじゃない」

篠田哲生

「いわゆる時計界のマスターピースでありながら、ソーラービート™という新しいムーブメントを搭載し、廃棄リンゴが主成分のノンレザーストラップをつけている。最近のキーワードであるサステナブルを意識していて、新しさの方向が今っぽいんですよね。サステナブルな世界に向けてカルティエがメッセージを出したというのも大きいし、興味深い。これまでって新しいことをやる場合は『新しいですよ』ってデザインや名称で分かりやすくアピールすることが普通だったんですけど、SDGSやサステナブルをさりげなくやるっていう風潮も出てきていて。この“タンク マスト”はまさにそうで、新作だけど見た目はほとんど変えていない。これ見よがしにやっているのではなく、普通のことにしようとしている姿勢が好感度大なんです」

タンク マスト

「個人的にはメンズライクな機械式時計が好きなんですが、時計のプロポーションを大切に考える人も増えてきていて、機械が小さくてデザインの自由度が高いクオーツ式もいいじゃんという流れが出てきています。この“タンク マスト”も、クオーツ式だからこその軽さと薄さ、そして美しいバランスを保っている。着用するストレスを感じません。小振りだから、シェアウォッチとしてもよさそうですね。放っておくと止まってしまう機械式と違って、いつでも正確に時計が動いているので、針合わせの手間もなく、ぱっとつけることができるのも魅力。アクセサリー感覚で使えますね」

篠田 哲生 2
タンク マスト(今秋発売予定)¥325,600(予価)/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)

「“タンク”を愛した男たちはタンキストと呼ばれ、伊達男が揃っている。これからもずっと男性にとってのマストハブな時計であるべきだと思っています。かつてのタンキストたちがスーツに合わせていたのと同じように、ある程度カチッとした格好で身に着けたいんですよね。安心感はあるし、オールマイティなんですけど、惰性で着けているようには見られたくない。あえて“タンク”を選んだという洒落心がわかる人と会うシーンで着けたいですね。安パイじゃなくて攻めたチョイスなんだよって」

TETSUO SHINODAプロフィール画像
TETSUO SHINODA

『UOMO』誌での連載をはじめ、40を超える媒体で時計記事を担当するスペシャリスト。『教養としての腕時計選び』(光文社新書)が好評発売中。

カルティエ カスタマー サービスセンター TEL:0120-301-757

Photos:Yuichi Sugita[POLYVALENT]

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