2020.10.03

大人の日常に溶け込む。今欲しい「文化系スニーカー」6選

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」をモットーに、ファッションとの文脈でスニーカーを語るなど、「文化系スポーツ男子」を地でいく、東京スニーカー氏こと小澤匡行さん。氏にとって今の気分の一足とは?

私的な空間に馴染み、ノイズにならないスニーカーが気分です

文化系スニーカーとは「単純なモノ選びの話ではなく、着こなしとの関係性で決まる」というのが春までの話。現在はさらに気分に変化があったという。
「在宅の時間が増えたからか、ワードローブの範疇を超え、家具やインテリアと同様に『私的空間に馴染むか?』という視点でスニーカーをとらえるようになりました。『この壁にアートが欲しい』とか『テーブルにこんな花を飾ろうかな』といった感覚に近い。玄関に置かれたスニーカーも、色がガチャガチャしていると落ち着かないですよね。統一感が欲しくなる。今回多くピックしているグレーやベージュは、スニーカーの王道カラーではないものの、僕が好きな温かなウッドの家具に囲まれた空間に馴染むし、ある種の華やかさもある。ただ一時期に流行ったアノニマスなデザインではなく、テクニカルなものを選んでいます。機能的だけど落ち着きのあるカラーリングと、ちょっとの刺激。そのバランスを楽しむのが現代的かなと。レコードの心地よい演奏にそっと耳を傾けるように、スニーカーを履く。それが最近の気分です」


大人の日常に溶け込む。今欲しい「文化系スの画像_1

【NIKE AIR ZOOM TYPE】

「僕自身の服装はどうしても地味になりがち。なのでアクセサリー感覚で足元に色を。今はフラットじゃなく、ミックス感のあるデザインのスニーカーが好みですが、スタイリングも同様です」。スニーカー¥16,500/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス) ジャケット¥52,000・パンツ¥46,000・キャップ¥16,000/コモリ(ワグ インク)


大人の日常に溶け込む。今欲しい「文化系スの画像_2

【NIKE SPACE HIPPIE 04】

「工場から出る廃材を再利用して作られた一足。これまでは自分の中でサステナブルの流れをファッションとして消化するのが難しかったけど、スニーカーへの見方が変わったことで、変化がありました。これはシンプルに見た目も好み」。¥14,000/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス)



大人の日常に溶け込む。今欲しい「文化系スの画像_3

1【ASICS GEL-1090】

(右)「壁に掛かったアート作品のようなイメージで、アクセント的に取り入れたい」。¥10,000/アシックス(アシックスジャパン お客様相談室)



2【CHALLENGER LOW GTX WIDE】

(中右)「上質な素材かどうかも大事。これはオールベージュのヌバック素材で上品」。¥25,000/ホカ オネオネ(デッカーズジャパン) 



3【TYPE O-4】

(中)「OAMCとアディダスによるダブルネームの一足は、合成素材の機能性と天然素材の物質性とのコントラストがテーマ。ヴィンテージの筐体のスピーカーをBluetoothにつなげて音楽を聴くようなミックス感」。¥37,000/アディダス オリジナルス by OAMC(アディダス ファッション グループ ショールーム) 



4【MIZUNO WAVE PROPHECY for Graphpaper】

(中左)「プロダクトデザイナー、ディーター・ラムスの作品に触発された今季のコレクション。自宅では彼が手がけたBRAUNのアンプで音楽を聴いています。グレーの中のほのかなオレンジは、ラムスのスピーカーのイメージカラーであると同時に、北欧家具に囲まれて聴く電子音楽のようでもある」。¥32,000/ミズノ フォー グラフペーパー(グラフペーパー)


Masayuki Ozawa
1978年千葉県生まれ。エディター。本誌スニーカー連載も人気。最近はスニーカーのみならずファッションと住環境の関係に関心をもつ。



Photos:Keita Goto[W]

RECOMMENDED