先進的なテクノロジーが採用されており、ランニングでも街履きでも快適な履き心地を提供してくれるランニングシューズ。東京スニーカー氏が厳選したモデルで洒脱なスポーツミックススタイルを構築しよう。
01:ASICS|GEL-KAYANO 14
白じゃなくてバニラだから合わせやすい名品
「テック感を象徴するシルバーのあしらいやこの粗いメッシュは、白でなくバニラカラーだと落ち着いて見えることに最近気づきました。ゲルカヤノ14は2008年にリリースされ、アメリカのランニング専門誌『RUNNER’S WORLD』の「INTERNATIONAL Editor’s Choice」賞を受賞したことで日本でも脚光を浴びました。2021年に復刻されてからは、キコ・コスタディノフがデザインしたり、JJJJoundやKITHもコラボするなど、現在のスニーカーシーンを牽引する存在です。2000年代を象徴するど真ん中のデザインだからこそ、クリームアッパーとかペールトーンのラインのような大人っぽいこの感じがよいと思っています」(小澤)
1993年に初代が登場したゲルカヤノの14代目。機能に応じて適材適所に多様な素材を配すことで生まれた、当時としてはボリュームのあるシルエット。メゾンブランドもオマージュするモデルとして、スニーカーファンからも注目されている。バニラカラーは2024年春夏の新色。
02:ASICS|GEL-QUANTUM KINETIC
エキゾチックな配色もこなすハイデザイン
「パリを筆頭に、海外でも大人気のアシックス。目の大きなメッシュがアイコニックで、みんなこのスポーツ感が欲しいんだと思います。中でもこのゲルクォンタムは、パリのユースカルチャーと、ブラックカルチャーの両方から脚光を浴びているモデル。SNSを見ていると、思っている以上に海外での評価が高いことがわかります。このゲルクォンタム キネティックは8月末に発売された新作。ダークセピア/シャムロックグリーンのエキゾチックな配色も可能にしてしまう特異性のあるデザイン。勢いを感じます」(小澤)
メゾンブランドもオマージュする、メッシュアッパーに人工皮革の補強を重ねたデザインが先鋭的。ゲルクォンタム キネティックは、アシックスを代表するランニングシューズのシリーズからヒントを得た新型だ。ソールには最新の「Scutoid GEL(スクートイド ゲル)」テクノロジーを採用。
03:NIKE SPORTSWEAR|NIKE ZOOM VOMERO 5 EWT
アートっぽさも感じる今なお新鮮なデザイン
「Y2Kの流れで復刻されているモデルの中でも、当時リアルに履いていたナイキのボメロ。当時、本気系のランニングシューズに『バウワーマンシリーズ』というのがあって、Pー6000やメイフライなどはそのカテゴリーから発売されていました。僕はそういうものをストリートファッションとミックスして、楽しんでいたんです。ボメロ 5はア・コールド・ウォールのサミュエル・ロスとのコラボをよく履いていて、海外でもよくスナップされた思い出が。ボメロがユニークなのは前足・中足・後足と3つに分解されているような、どこかアートっぽいデザイン。履くと本当に快適なので、いろいろな視点で売れている理由がよくわかります」(小澤)
2010年にランニングシューズとして発売されたナイキ ズーム ボメロ 5。弾むような反発力のズーム エアのクッショニング、サイドのプラスチック製ケージによるサポートが視覚的にもインパクトを与える。複雑でありながら、スタイリングしやすいと2023年のヒットスニーカーに。インソールにはビル・バウワーマンのプリントも。オリーブグリーンは来年発売の新色。
04:New Balance|1906R CG
テックなデザイン&配色が今の時代にフィット
「1906 Rは去年復刻された品番で、オリジナルは2009年に発売されています。10月に今の時代のムードに合った、粗いメッシュアッパーのネオンカラーが新色で登場しました。試着してみたら上下黒の服装だったこともあってか、意外にも大人っぽく見えて。ネオンカラーや近未来的なモノは、“若さ”を取り入れるためのポイントになりがちですが、この1906R CGはそんなことにもならず。僕たちの感覚が変わったのか、デザインが進化したのか? 冬場のニットに合わせたりするのは、オールブラックよりもこんなネオンカラーのほうがよさそうな気がします」(小澤)
ニューバランスの創業年を冠した「1906」は、2000年代のランニングシューズを象徴するモデル。その名作を再構築した「1906R」の新色がこのグリーン×シルバー。メッシュアッパーにシンセティックレザーのオーバーレイで、テックな印象が際立つ。コーディネートをテッキーに仕上げたいとき大活躍。
05:COMME des GARÇONS HOMME×New Balance|1906R
白×黒の2色でギャルソンらしさを表現
「ニューバランスの1906Rのハイテクモデルは若い世代よりも、意外とUOMO世代が履いているようです。クラシックなニューバランスを履き続けてきた世代だからこそ、このメッシュやTPUパーツの感じが新鮮に見えるんでしょう。こういうものをフューチャリスティックに履きこなせばいいなと思っていたら、コム デ ギャルソン・オムから白×黒配色が出ると聞いて。トリプルブラックもありますが、ここは逆張りで行くつもり。普遍的な白と黒の2色ですが、使い方が独特なんです。この2色だけでギャルソンらしさを表現できる面白さというは、ほかのスニーカーメーカーとのコラボレーションでも感じています」(小澤)
2009年に発売された1906の復刻モデル「1906R」を、コム デ ギャルソン・オムがタイムレスでモダンなスタイルに落とし込んだ。アッパーにプレミアムなレザーと粗いメッシュ、ヒールにはリフレクティブなアクセントを。パリでのジュンヤ ワタナベ マン 2023-24年秋冬ランウェイショーで発表されたように、モード×テックな着こなしと好相性。