UOMOプリント版の連載『教えて! 東京スニーカー氏』でもおなじみの小澤匡行さんが、数多の中から極私的なおすすめモデルを厳選。
01:COMME des GARÇONS HOMME×New Balance|1906R
白×黒の2色でギャルソンらしさを表現
「ニューバランスの1906Rのハイテクモデルは若い世代よりも、意外とUOMO世代が履いているようです。クラシックなニューバランスを履き続けてきた世代だからこそ、このメッシュやTPUパーツの感じが新鮮に見えるんでしょう。こういうものをフューチャリスティックに履きこなせばいいなと思っていたら、コム デ ギャルソン・オムから白×黒配色が出ると聞いて。トリプルブラックもありますが、ここは逆張りで行くつもり。普遍的な白と黒の2色ですが、使い方が独特なんです。この2色だけでギャルソンらしさを表現できる面白さというは、ほかのスニーカーメーカーとのコラボレーションでも感じています」(小澤)
2009年に発売された1906の復刻モデル「1906R」を、コム デ ギャルソン・オムがタイムレスでモダンなスタイルに落とし込んだ。アッパーにプレミアムなレザーと粗いメッシュ、ヒールにはリフレクティブなアクセントを。パリでのジュンヤ ワタナベ マン 2023-24年秋冬ランウェイショーで発表されたように、モード×テックな着こなしと好相性。
02:THE ROW|OWEN RUNNER
上品なレトロモデルにはアノニマスな魅力も
「ザ・ロウの定番“オーウェン ランナー”の新色です。ミニマルが魅力のザ・ロウが、こういうスニーカーをつくっているのはとても合点がいきます。ナイロンの素材感がすごく有機的で、アッパーのサイドに自然にできるシワの凹みもすごくいい。70年代のランニングシューズを彷彿とさせるデザインも好印象です。僕のラグジュアリーブランドのスニーカー所有率は、全体の1割にも満たないですが、スニーカー好きなら一足ぐらいはメゾンのものを持っておくと、価値観が変わっていいと思います。例えばこの配色のように、スポーツメーカーにはない魅力に気づけたり、偏差値が高まるんですよね」(小澤)
シンプルベーシックな定番モデルを、1年を通してどんなワードローブにも合わせやすい、ソフトなスエードとナイロンのコンビネーションで仕上げた。ロゴなどがなく、匿名性の高いプロダクトを提案し続ける、ザ・ロウの哲学が反映された一足は、タイムレスに履くことができる。
03:Bottega Veneta|VULCAN SNEAKER
クラシックながら遊び心のあるデザイン
「レトロスニーカーの王道的デザインへのオマージュかと思っていたら、19世紀後半のテニスシューズが着想源になっているそうです。アッパーのステッチの入り方など、ディテールにバッグっぽさを感じるのは僕だけでしょうか? 光沢のあるカーフスキンの質感もいいし、つくりも素晴らしい。アウトソールがイントレチャートだったり、プルタブの裏にパラキートをあしらっていたりするのも気が利いています。トウの先端に小さくロゴの刻印がありますが、このご時世、ロゴで勝負していないところに好感が持てます」(小澤)
丸みを帯びたボリューミーなラバーのトウガードがアイコニック。ボッテガ・ヴェネタの定番スニーカー、バルカンにカーフレザータイプが登場。無駄のないオーセンティックなモデルがレザーになったことで、ジャケパンなどONのコーディネートの足元にも文句なしの一足に。
ザ・ロウ・ジャパン TEL:03-4400-2656
ボッテガ・ヴェネタ ジャパン TEL:0120-60-1966
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda