型の力の抜けた大人の着こなしに合わせたいのが、快適な履き心地で脱ぎ履き楽ちんなスリッポンやミュールタイプの紐なしスニーカー。東京スニーカー氏も認めたこちらの6足なら、手に入れておいて損はない。
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01:Salomon|REELAX MOC 6.0
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リカバリーシューズの可能性を画策
「先月、国立競技場で開催された駅伝を走ったり、リカバリーシューズが活躍する場面が、僕のライフスタイルにも出てきました。リカバリーサンダルに比べて、デザイン的には発展途上な感じがしますが、サロモンのリラックス モックは踵が踏めたり、足にやさしいメッシュのフィット感だったり、余計なものがないところがいいなと思いました。これをどうファッションとして昇華していくかは目下の課題ですが、ポジティブに取り入れていこうと画策中」(小澤)
踵部分を折り畳んでスライドとしても活用できる2WAYモック。やわらかくて通気性に優れたメッシュアッパーと成型インソールで、長時間ラクに履ける。コーディネートにテックなムードを添えたいときにも重宝する一足。
02:HOKA|RESTORE TC
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ラクに履けてラクに歩けるリストアシューズ
「リカバリー系シューズって黒ばかりでしたが、8月に発売されたホカの『リストア TC』はベージュ系(写真)やグリーン系などをラインナップしているのが新鮮でした。このスニーカーが “最小限の素材で、最高の履き心地を” と謳うように、そこを追求するのがリカバリー系シューズの一番いいところだと思います。ボリュームを添える装飾がいろいろあってこそホカというイメージがありますが、このぐらいシンプルなホカもいいですね」(小澤)
循環型社会をコンセプトに設計されたスリッポン。サステナブルな素材を採用し、アッパー、インソール、アウトソールとシンプルな構造でつくられる。伸縮性のあるエンジニアドジャカードメッシュアッパー、踵からつま先への推進力をスムーズにするHubble®ヒール形状、一体型ヒールプルタブが、 “ラクに履く。ラクに歩く。”を叶える。
03:NIKE|AIR KUKINI
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TPUケージのデザインが今なお新鮮
「2000年に発売されたエア クキニの復刻モデルです。当時は自分のファッション観と違っていたこともあり、履いていませんでした。今、この年齢になってクキニのよさを実感しています。モードなエッセンスがちゃんとあって、きれいめなスラックスにもOKだし、ナイロンのセットアップでスポーティに合わせるのもいい。個性的なデザインに見えるけれど、実はすごく万能な靴だなと。アッパーのTPUケージは、ホールド感を高める機能から生まれた当時ならではデザイン。オールブラックが出たので、足元のアクセントにぜひ取り入れたいなと思います」(小澤)
伸縮性のあるネオプレンのようなアッパーが足を包み込み、ケージ付きのサポートシステムがフィット感を高める。Y2Kムードを携えるエア クキニを、当時のビジブルエアユニットで復刻。ミニマルなブラックのワントーンは見つけたら絶対買いの人気カラーだ。
04:PG|GARDEN DUSK
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編み込みアッパーが涼し気な2WAYシューズ
「ピージーのスニーカーは、いつも知る人ぞ知る的なモデルがサンプリングされています。このスニーカーも甲の編み込みの感じから2000年前後の、僕も持っていたモデルに着想しているのだと思いました。肉厚なソールで履きやすくアップデートし、今のデザインコードでモダンなプロダクトにしているところがまた魅力的。若い世代には、より新鮮に見えるデザインではないかと。過去のスポーツシューズのいい部分を切り取って、今のエッセンスやトレンドをプラスする、それがいいリバイバル感をつくっている気がします」(小澤)
ピージーは、東京・富ヶ谷のスニーカーセレクトショップ、プレイグラウンドのオリジナルレーベル。秋冬に好評だったスリッポンを春夏素材で展開。甲は通気性のいい素材で涼し気なルックス。ヒールにはネオプレン素材を配し、踏みつけてミュールとして履くこともできる2WAY仕様に。
05:Hender Scheme|polar mule
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ウィットに富んだ本格的スニーカー
「春夏に気になっていたエンダースキーマのミュールが、アップデートされて秋冬にも発売されます。前作はアッパーが表革で甲部分に穴飾りがあったんですが、今季はスエードとメッシュでスポーティな印象。スニーカーを革靴風にアレンジすることが多いエンダースキーマですが、最近はこのヴィブラムソールの使い方でもわかるように、しっかりとスニーカーをつくっています。ファッション性の高いシューズブランドのスニーカーならではの、キャリー(継続)のように見えて実は進化している、そんな点にも惹かれます」(小澤)
エンダースキーマらしく名品をサンプリングしたようなデザインが目を引く、スエード×メッシュアッパーの軽快なミュール。甲のスリット、ウィングチップのカッティングなどレザーシューズのディテールにも心が躍る。自然な足運びを導くRGS(ローリングゲイトシステム)のヴィブラムソール #186を採用。
06:New Balance|M2002RMG
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人気のミュールがオフホワイトワントーンで
「スニーカーとサンダルの中間的なミュールが、ファッションとして定着した気がします。M2002Rのミュール型もすでに多くのカラーバリエーションが登場していますが、上品なオフホワイトがこの6月に発売になるそうです。今までのモデルと違って、アッパー、ソールからロゴまでワントーンのミニマルなルックスが個人的にうれしい。最近はルーズなソックスが戻ってきているので、ミュールであることをアピールできるように、ショーツといいバランスでコーディネートできたらと思います。ファッションの新しい形として取り入れるのがよさそうです」(小澤)
2010年にデビューしたUSA製「MR2002」を、アジア生産で復刻したM2002Rのミュールアレンジ。2022年に登場するや人気を博し、セレクトショップの別注なども展開されている。オフホワイトのワントーンで仕上げた今作は、コーディネートの振り幅の広さも魅力的。