真夏はもちろん、秋口から冬の着こなしにも清潔感を加えてくれる白スニーカーは、大人の足元に欠かせない。UOMOプリント版の連載でおなじみの「東京スニーカー氏」こと小澤匡行氏厳選の6足で、クリーンなスタイリングを構築しよう。
01:HOKA|CLIFTON LS
ファッションとして履きたい白スニの傑作
「ホカはポップな色も好きなんですが、黒いドレスに真っ白のクリフトンを合わせているコレクションブランドのデザイナーのスナップを見て、ファッションとして白のホカを取り入れてみたいと思いました。黒には特徴や個性を消す効果がありますが、白は逆にさらけ出す色。機能とルックスを両立したデザインへの信頼性があってこそ、選べる色です。そういうわけでホカの名品、クリフトンをベースにしたこのライフスタイルモデルも、白が気になりました。合わせやすいからという打算的な理由でなく、意志を持って白のホカを履こうと思います」(小澤)
ホカの定番モデル、クリフトンをベースに、トウにテクスチャースエード、ヒールに凹凸のあるペブルドレザーを配してデザイン性を高めたライフスタイルモデル。Durabrasion Rubber™(デュラブレージョン ラバー)アウトソールを採用したローリング形状の厚底で、履き心地も文句なし。
02:NORDA|NORDA THE 001
ラグジュアリーと機能の落としどころが絶妙
「ノルダは先シーズンからビームスが取り扱っている、カナダのアウトシューズブランドです。定番モデルの新色で、ガムソールが出ていたので今回ピックアップしました。知る人ぞ知るアウトドアシューズブランドって、実はたくさんあると思うんです。ノルダは世界最軽量のバイオベース素材“ダイニーマ”を使用しているのが秀でている点ではありますが、僕的にはスポーツブランド以上、ハイブランド未満の機能とデザインにちょうどいい落としどころがあって、そこが魅力だと思いました」(小澤)
2021年にモントリオールでスタートしたフットウェアブランド。“ダイニーマ”アッパーのほかにも、ヴィブラム社製の独自デザインソール、360°の視認性を確保する高視認性反射材など、オリジナリティのあるデザインと機能で高く評価されている。
03:NIKE|AIR FORCE 1 MID ‘07
ハイプなジェイドカラーをミッドカットで
「この夏、スニーカーで何か色を取り入れるなら、おすすめしたいのがジェイド(翡翠色)。スニーカーカルチャーではハイプな色として人気で、最近ではエア マックス 1やダンクでもこの色が出ています。そして僕は、ことエア フォース 1に関してはミッドが昔から好きで、いちばん履きやすいと思っています。90年代のストリートシーンではミッドカットが大ブレイクして、夏はショーツ&ソックス、秋冬は足元にパンツをためてと、みんな履いていました。ローしか履いたことがない人に、ぜひトライしてほしいです」(小澤)
アンクルベルトがアイコニックな、ナイキ エア フォース 1 ミッド。ホワイトをベースにスウッシュとアンクル部分、ソールなどさり気なくクリアジェイドをあしらった大人っぽい配色が秀逸。ショーツスタイルの感度を上げたいときの足元にもおすすめ。
04:Maison Margiela|Feather Light Sneaker
フラットソールのライトなスポーツシューズ
「アディダスやプーマ、ドイツブランドのレトロなスニーカーが面白い動きをしているせいか、僕の中でジャーマントレーナーがちょっとしたブームに。改めて履いてみたいなと思って定番展開しているメゾン マルジェラに行ったら、新作でこんなにソールの薄いスニーカーが出ていました。90年代のスポーツシューズに着想したモデルだそうですが、ディテールをそぎ落としたデザインはどこかフェミニン。ヒールの華奢な丸みも、また艶めかしくて…新しい発見がありました」(小澤)
カーフスキンとスエードアッパーに、薄いガムソールが印象的。シューレースパートのラフなカットワークもメゾン マルジェラらしい。ヒールバックには手仕事を象徴する1本の白いステッチがあしらわれている。
05:JIL SANDER|BASKET LO
ホワイトのトーン・オン・トーンが冴える新色
「昨年も紹介した、ジル サンダーの定番スニーカーの新色です。真っ白でなくグレイッシュトーンをミックスした配色、レザーはクリーンなスムースレザーで、日焼けしたようなソールやメッシュとのコントラストが際立ちます。以前は起毛のライニングだったのも、レザーに変わりました。僕はこのスニーカーを上から見たところが好きで、シューレースまでの距離が狭いところも気に入っています。ちゃんと今っぽい部分を落とし込める要素がある靴なんですよね。定番でありながら、その時代にフィットできるデザインを生み出すのは意外に難しいと思います(小澤)
バルカナイズド製法によるカーフレザーとメッシュアッパーのローカットスニーカー。サイドにJil Sanderのロゴが型押しで入る。複雑なレイヤーのデザインだが、ワントーンで仕上げることでシンプルに。合わせる服を選ばない万能シューズに仕上がっている。
06:Reebok|Club C 85 Pump
’80sの代表モデルを’90sディテールでアレンジ
「機能に強いこだわりがあるわけではないので、なんかしっくりきて心地よい。そういうローテクに出会えると、自分にとっての定番になる。そんなスニーカーのひとつがクラブシーです。今作はクラブシーでポンプというのが、意外にかわいいなと。ポンプをテニスボール風にデザインしていたり、ネオンカラーのあしらいにも当時の空気感があって好印象。スマートさが魅力のクラブシーですが、シュータンをファットにした今どきのアレンジも面白い。タンやヒールにあしらわれたチェッカー模様がちょっと若い感じですが、真剣に買おうか思案中です」(小澤)
80年代のアイコンスニーカーに、90年代のテクノロジーTHEPUMPをマッシュアップした新感覚デザイン。クリーンなホワイトにトレンド感のあるグリーンのあしらいもモダンだ。シンプルな夏の着こなしのアクセントにおすすめ。ユーモアのセンスもアピールできる。