今やオンオフ問わず、おしゃれな大人のワードローブに欠かせないスニーカー。本誌『東京スニーカー氏』の連載でもおなじみの小澤匡行さんが、毎日発売される数多の中から極私的なおすすめモデルを厳選。今回は全世界でリリースされるビームス プラス別注のスペリー トップサイダー、ジェイエムウエストンのハイブリッドでミニマルなレザースニーカー、そして野村周平のキャンペーンビジュアルも話題のヴァンズ「ニュースクール」にフォーカス!
01:Sperry TOP-SIDER × BEAMS PLUS|MIL CVO
アメトラではなくミリタリー顔が新鮮
「僕がトップサイダーをいちばん履いていたのは15年ほど前。アメトラブーム真っ只中で、老舗のものづくりがフォーカスされた時代に愛用していました。今回のビームス プラス別注は、1940年代の軍用モデルをベースにしています。インソールのロゴや、かすれたスタンプなどブランド泣かせのこだわりも多く、何より驚いたのはクラシックを追求しながら履き心地がすごくいいこと。トップサイダーのデッキスニーカーはアイビーやアメトラのイメージが強いと思いますが、クオリティやユニークなポイントを探して、自分のファッションに合せられるとスタイルの幅が広がるのではと思ったりしました」(小澤)
1935年創業のアメリカ老舗ブランド、スペリー トップサイダーとのコラボ。1940年代に米軍に支給されていた軍専用のボートシューズの木型をベースに、端正なシルエットに仕上げた。アッパーとソールをつなぐサイドテープを太めにするなど、随所にクラシカルなディテールが。デッドストックのような雰囲気を醸し出すシューズボックスも必見。ネイビー、アイボリーのほか、軍供給のオリジナルカラーだったブラウンの展開もある。
02:J.M. WESTON|Canasta Elastic #938
ミニマルなルックスの洗練された革スニーカー
「革靴で名を馳せたブランドが、秀逸なカジュアルスニーカーをたくさんつくる時代になりました。とはいえ、多くの人はスニーカーを買うぐらいなら革靴を買いたいと思っているようで、その気持ちもわかります。そんな折、ジェイエムウエストンで革靴を買う満足感も満たしてくれるモデルを見つけました。外周を一周するラバーテープのあしらいや内羽根のつくりがスニーカーっぽくはあるんですが、ステッチを表に出さない縫製がミニマルで、モードっぽい雰囲気もあります。これはまさに、革靴を買う気持ちで買える傑作。見れば見るほど欲しくなります」(小澤)
ソフトカーフのアッパーにモノグラムラバーソールの「カナスタ エラスティック #938」は2022年秋冬に登場した新型。エラスティックの構造を採用して、洗練されたフォルムと脱ぎ履きが簡単にできる仕様を両立した。スマートカジュアルからモードな着こなしまで、幅広いスタイルに合せられる万能シューズ。
03:VANS|KNU SKOOL
90年代後半のスケーターシューズが人気再燃
「2000年代初めにオリジナルのニュースクールを買った記憶があります。以前紹介したアディマティックも然りで、90年代末から2000年代初期にかけてはファットなスニーカーが流行した時代でした。今回の復刻モデルはネイビー×ブルーや黒×白もあるんですが、初期のヴァンズっぽいこの赤×黒×白がイチオシ。サイドストライプが盛り上がった造形物のように見えるデザインも、履いてみると意外に収まりがよくていいムードなんですよ。ファットシューレースを黒やネオンカラーに変えて遊んでみるのもよさそうです」(小澤)
ヴァンズの名品、オールドスクールをファットなシュータンや太めのジャズストライプでアレンジしたニュースクール。1990年代後半に登場して、コアなファンに愛されたスケーターシューズだ。過去に何度か復刻されているが、今年4月に復刻されたモデルが即完売。この6月1日に新色が加わって再登場した。
ジェイエムウエストン 青山店 TEL:03-6805-1691
ビームス プラス 原宿 TEL:03-3746-5851
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda