今やオンオフ問わず、おしゃれな大人のワードローブに欠かせないスニーカー。本誌『東京スニーカー氏』の連載でもおなじみの小澤匡行さんが、毎日発売される数多の中から極私的なおすすめモデルを厳選。今回は人気定番のアレンジモデルを3足紹介する。大人スニーカーの代名詞、スタンスミスのミニマルワントーンなエディフィス別注、コム デ ギャルソン・オム×ニューバランスのグレイッシュカラーMT580、そしてTHEPUMPでポップにアレンジされたリーボックのクラブシーをチェック。
01:adidas Originals|Stan Smith Lux
プレミアムレザーのホワイト「スタンスミス」
「エディフィス恒例のアディダス オリジナルス別注です。セレクトショップの別注には定番をいかにファッショナブルにするか? という命題がありますよね。その中でもエディフィスは、定番に匿名性を持たせる色や素材の使い方を極めている気がします。オリジナルの存在感をナチュラルに薄めて、洋服にマッチする高級感や汎用性をプラスする。そんなことを愚直にやっているのがエディフィスのよさではないでしょうか。このスタンスミスも本革、レザーライニングでロゴなどはすべて型押しと。ナチュラルなホワイトの色みもオリジナリティがあります」(小澤)
「WHITE」をコンセプトにした今回のコラボレーション。ロゴを型押しでミニマルにするなどヴィンテージを現代的に表現し、プレミアムレザーでタイムレスなスニーカーに仕上げた。合わせる服を選ばず、スーツにもフィットし、カジュアルには品のよさを添えてくれる。
02:COMME des GARÇONS HOMME|New Balance MT580
プレミアムな素材とグレイッシュトーンで洗練
「昨年末にもこの連載でヘクティク×ステューシー×ミタスニーカーズの復刻MT580を紹介しましたが、配色が変わるとイメージもまったく変わるという好例です。コム デ ギャルソン・オムの展示会で初めて見たときに『すごくいい配色!』と心を奪われました。それから半年以上経ちましたが、改めてこのオフホワイト×ライトグレーに自分の今の空気感が凝縮されていると感じました。革の質感がよくて重厚感があり、カラーリングはライト。これぞまさに大人のスニーカーといった仕上がりになっています」(小澤)
ニューバランスのオフロード用トレイルランニングモデルとして、1996年に登場したMT580。着地面積の広いフラットなソールが特徴で、安定性をサポートする“ROLLBAR(ロールバー)”を採用したのが画期的だった。今回のコラボではプレミアムな素材を使用し、オフホワイト、ライトグレー、チャコールグレーのカラーパレット「MOONBEAM」(掲載カラー)と「PHANTOM」で洗練したスニーカーに。
03:Reebok|Club C 85 Pump
’80sの代表モデルを’90sディテールでアレンジ
「機能に強いこだわりがあるわけではないので、なんかしっくりきて心地よい。そういうローテクに出会えると、自分にとっての定番になる。そんなスニーカーのひとつがクラブシーです。今作はクラブシーでポンプというのが、意外にかわいいなと。ポンプをテニスボール風にデザインしていたり、ネオンカラーのあしらいにも当時の空気感があって好印象。スマートさが魅力のクラブシーですが、シュータンをファットにした今どきのアレンジも面白い。タンやヒールにあしらわれたチェッカー模様がちょっと若い感じですが、真剣に買おうか思案中です」(小澤)
80年代のアイコンスニーカーに、90年代のテクノロジーTHEPUMPをマッシュアップした新感覚デザイン。クリーンなホワイトにトレンド感のあるグリーンのあしらいもモダンだ。シンプルな夏の着こなしのアクセントにおすすめ。ユーモアのセンスもアピールできる。
「大人の春スニーカー」のおすすめはコレ!
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda