この夏に履きたい最新スニーカーをハイブランドの中からピックアップ。どれもブランドらしさあふれる逸品ばかりだ。
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01:GUCCI|adidas×Gucci Sneaker
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ファッションシーンで大きな話題を呼ぶ、ハイブランド×名品スニーカーのコラボレーション。グッチのクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレが選んだのはアディダス オリジナルスの人気スニーカー「ガゼル」。トレフォイルとグッチのロゴが要所にあしらわれ、ラグジュアリーな雰囲気を醸し出す。ネイビーのスリーストライプス、レッドのバックタグと全体をトリコロールカラーでまとめているのが印象的だ。
「ガゼル」は1968年にトレーニングシューズとしてデビュー。90年代にはヒップホップのスターが履いたことで脚光を浴び、ストリートシーンを席巻した。グッチのものはトウパートの切り替えや型押しのシュータン、ソールの形状など洗練されたアレンジが光る。アッパーはスリーストライプス、スウェード風の切り替えまで、非動物性由来の再生可能なバイオベース素材「デメトラ(Demetra)」を使用している点も特筆。
02:LOUIS VUITTON|LV TRAINER
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ベルクロストラップや全体のフォルムが80年代のヴィンテージスニーカーを彷彿とさせるLVトレイナー・ライン スニーカーの新作。モノグラム・フラワーモチーフやモノグラム・デニムが贅沢にあしらわれた精緻な構造のアッパーは、熟練の職人が7時間かけて縫い上げる。ヒール部分にはLOUIS VUITTONロゴが左右にまたがって刺しゅうされ、後ろ姿にもアクセントを添える。
LVトレイナーはヴァージル・アブローが初めて手がけた2019年春夏コレクションで発表され、以来LVのアイコンスニーカーとしてアップデートを続けている。2022年秋冬のプレコレクションとして発表された今作は、ソールサイドだけでなくベルクロストラップにもインジェクションで立体感のあるモノグラム・フワラーモチーフが。コントラストの強い白×黒配色は、ディテールが際立ち、どの角度から見ても楽しめる。
03:BALENCIAGA|SPEED 2.0
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スニーカーカルチャーに造詣の深い、デムナ・ヴァザリアによるバレンシアガ。さまざなまヒットスニーカーを世に送り出しているが、ニットアッパーのソックタイプスニーカー「スピード」もそのひとつ。2017年春夏に初代モデルが登場し、2020年サマーコレクションに2代目を「スピード2.0」として発表した。ソールに深い溝を刻むことで、グリップ力としなやかな履き心地を実現した2.0の最新作がこちら。
アッパーのプリントロゴがなくなり、代わりにグラフィティスタイルでBALENCIAGAの文字がソールに。スニーカーのトレンドでもあるユーズド加工も取り入れて、カルチャー感のある一足に仕上げた。インソールに特許を取得したトリプルアーチ、フィット感抜群の3Dニットアッパーに軽量ソールと、ハイテクを凝縮した「スピード2.0」は一度履いたら虜になる履き心地。モード感と実用性を両立するスニーカーだ。
04:PRADA|America’s Cup sneakers
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スポーツとファッションを融合したラグジュアリーブランドの先駆けとしても周知のプラダ。1997年に伝統ある国際ヨットレース「アメリカズカップ」に参加するイタリアの「ルナ・ロッサチーム」のためにシューズやスポーツウエアをデザインしたことがきっかけで、翌1998年にプラダ スポーツが誕生したのは有名なエピソードだ。2018年秋冬に「プラダ リネアロッサ」としてスポーツラインが復活したが、そのルーツとなったアメリカズカップ スニーカーがプラダから発売された。
通気性にすぐれた革新的バイクファブリックのアッパーに、レザーやスウェードのオーバーレイがフューチャー感を演出。タンと巻き上がったソールのレッドライン(リネアロッサ)によってひと目でプラダをわかる一足に。今シーズン、このアメリカズカップ スニーカーのマテリアルやカラーを、自分好みにカスタマイズできるサービス「ACファクトリー」がスタート。攻めた配色でアレンジしても、どこか上品にまとまるのがうれしい。
05:MARNI|Pebble jacquard sneakers
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サステナブルスニーカーの最先端として注目のヴェジャとのコラボスニーカーも話題。クリエイティブ・ディレクター、フランチェスコ・リッソの遊び心がファンを引き寄せるマルニ。70年代のランニングシューズに着想したとわかるこのワッフルソールのスニーカーも、トウのオーバーレイをニットジャカードのコントラストカラーで表現するなど、ユーモアに溢れている。
縫い目のないニットジャカード生地は、しなやかかつ超軽量で履きやすい。ロゴを赤の刺しゅうで入れて、全体をトリコロールカラーでまとめているのも今っぽい。ワッフルソールにはMARNIの文字をかたどり、シュータンは切りっぱなしたようなデザインでレトロランシューの特徴を表現。マルニの上品なルックはもちろん、遊び心のあるスタイルにもマッチする得難い一足だ。
06:DIOR|“B23” HIGH-TOP SNEAKER “CD DIAMOND” CANVAS
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1974年にアーティスティック ディレクター、マルク・ボアンがデザインしたグラフィカルな「CD ダイヤモンド」を、キム・ジョーンズが再解釈。クラシックな品のよさを携えたモダンなアイコンとして、2022年春夏のバッグやSLG(スモールレザーグッズ)に採用され話題を呼んだ。その「CD ダイヤモンド」をディオールのタイムレスな定番シューズ、「B23」にも使用。ディオールらしさを凝縮したモードなスニーカーが完成した。
オーガニックコットンキャンバスにシルクスクリーンで「CD ダイヤモンド」を描き、奥行とレリーフ感を表現。アウトソールにはディオールを象徴するビーパターン。アイレットや平紐のシューレース、補強されたラウンドトウ、ヒールタブなどオーセンティックなディテールに、美しい運針のようなメゾンの職人技が融合されている。「ナチュラルカラー」「ディオールグレー」とカラー展開によってムードも変わる。