今やオンオフ問わず、おしゃれな大人のワードローブに欠かせないスニーカー。本誌『東京スニーカー氏』の連載でもおなじみの小澤匡行さんが、毎日発売される数多の中から今大人が選ぶべきモデルを厳選。今回は、キコ・コスタディノフが手がけるアシックスの新作、今のスニーカーのトレンドを物語るムーンスターのヒットシューズ、そして大人顔の黒レザースニーカーとしておすすめのジャランスリウァヤが登場!
01:ASICS|UB3-S GEL-NIMBUS 9
パテントレザー×メッシュ使いがキコらしい新作
「毎度毎度のキコですが、2007年に登場したゲルニンバス 9をキコ・コスタディノフスタジオがアレンジした新作です。トレンド感のあるグリーン系の配色に心が躍りました! 僕の中ではパテントレザーとメッシュのコンビ使いがキコっぽさの象徴なんですが、スポーティなものと相対的なものをカラフルな色で表現するという、スポーツブランドとは対極のアプローチをしっかりやっていると思います。普通じゃない配色にも、毎回目が留まります」(小澤)
ラテン語で“雲”を意味する「NIMBUS」を冠したゲルニンバスは、軽快なランニングシューズとして愛されてきた高機能シリーズ。9はアメリカのランニング専門誌「RUNNER’S WORLD」で「INTERNATIONAL Editor’s Choice」賞を受賞した名品。今作は”OUTDOOR ESCAPISM”(アウトドアへの現実逃避)をコンセプトに、風光明媚な風景をアッパーの配色に落とし込んだ復刻。
02:Jalan Sriwijaya|INTELLIGENCE SHOES
往年の人気レザスニを彷彿とさせる注目シューズ
「普段からジャランスリウァヤをチェックしているわけではないんですが、ショールームでこのシューズを見たときに90年代から2000年代にかけてヒットしたカンペールやシルヴァノ マッツァ、当時のレザースニーカーブームの礎を築いたブランドのデザインと似たものを感じて。革靴を履くほどではないけれど、スニーカーって気分でもないよな…というときに最高のデザインだと思いました。特につま先のウィングチップ風の切り替えが大人っぽいです」(小澤)
ジャランスリウァヤはイギリス仕込みのハンドソーンウェルテッド製法を用いて、インドネシアで良質なレザーシューズを手がけるブランド。インテリジェンスシューズと銘打たれたスニーカールックの革靴は、上質なフレンチカーフのアッパーにエクストラライトソールというハイブリッドな傑作。
03:MOONSTAR 810s|UNIVE
今のスニーカーのブームを象徴するモダンデザイン
「前回紹介したクキニもそうですが、これがスニーカーなの? というムーブメントは2000年代前後にもありました。当時は紐に頼らない、ハイテクとしてのスリッポンの技術を各社が競いましたが、今はカニエ・ウエストのYEEZY(イージー)に代表されるようにユニークなフォルムが注目されていると思います。このエイトテンスも同じ流れの気がしました。シュータンもなく、ただ面ファスナーだけで足を保護しているようなカバーデザインが、ファッションですよね」(小澤)
エイトエンスは久留米発の老舗、ムーンスターが手がけてきたプロユースシューズを日常のデザインに落とし込むプロダクトラインとして2019年にスタート。介護シューズの機能性を活かしたユニーヴは、大きな面ファスナーで足を包み込むフィッティング構造で大人気。
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JALAN SRIWIJAYA 日本橋高島屋S.C本館ガレリア TEL:03-6281-8400
ムーンスター カスタマーセンター TEL:0800-800-1792(フリーアクセス)
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda