ASICS A PRIZE IN EVERY BOX SNEAKER
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ヴィンテージのチャームを手縫いしたワンアンドオンリーの「GEL-1130」。メンズとウィメンズでそれぞれブラックとグリーンを展開。
既製品をカスタムして、新しい価値を見いだす
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セシリーバンセンとアシックス、ボーディとナイキなどのウィメンズのコラボレーションに見られるように、リボンやビーズで装飾するスニーカーが増えている。メンズでいうヴィンテージ加工みたいな感覚か。新しい価値を付加する最近のトレンドである。先日、ドーバー ストリート マーケット ギンザで発売されたカナダのブランド〈ベントゲイブルニッツ〉とアシックスとの共作もその一つだ。ちょうどデザイナーが来日していたので、制作意図をインタビューさせてもらった。
三人組のブランドで「過剰を削減し、創造性と持続可能性を結びつける」をミッションに掲げているが、趣味のカスタムで新しいものが生まれることの面白さがモチベーションという。「デコレーションではなく、価値あるための要素をどう加えるかを意識しているんだ」とアンジェロ(写真右)は話してくれた。価値とは時間をかけることでも高額になることでもない。「昔からあるもの同士を組み合わせるプロセス」とカレン(左)は考えているようだ。スニーカーカルチャーの現状に関しては「大量消費の象徴であるが、それは仕方がない。昔に比べてスニーカー一足に物語がなくなっていることが寂しい。だから僕たちのプロジェクトではストーリーをつくって特別なものにしたいんだ」とアンジェロは語る。
シューズには彼らが好きで集めていた昔のポップコーンのお菓子「クラッカージャック」のおまけのチャームをすべて手作業でカスタムしたとか。「日本の美学にも通じるところがあると思う」とブレンダ(中)は話す。