ASICS GEL-QUANTUM KINETIC
通勤や立ち仕事など、日常のシーンでの衝撃緩衝性を高めるゲルのテクノロジーを搭載。新作はオフホワイト中心の配色が美しい。
家具を見る視点で、スニーカーの魅力を考える
キコ・コスタディノフが参画するようになって、アシックスはファッションとしてより愛されるようになった。彼はブランドの内側から鋭い角度でアシックスを表現してきた。残すところを伸ばす、その生かし方というか、見極めるセンスが優れているのだろう。
アシックスでいま海外でも大人気なのが「GEL-QUANTUM」シリーズ。ソールに搭載されているスキュートイドゲルは、その奇抜な形状が目をひくが、これはキコのデザインではない。神戸市にあるアシックススポーツ工学研究所で、アルゴリズムに基づくコンピュータシミュレーションによって設計されている。履き心地を追求した先に生まれるデザインは、やはり日本のプロダクトだな、と感じる。
PRの水澗航さんは、家具にたとえるなら人間工学に基づいて設計されたアーユル・チェアーかなと話していた。形がちょっとユニークだけど、姿勢を矯正するための理にかなっていて、それがデザインとして成立している。日本好きで有名なキコもまた、そういったゲルのテクノロジーや魅力を理解しているから、奇抜なソールを生かしたデザインと配色になるのだろう。