もっとも贅沢なニューバランスがここに。
この箱を見てほしい。
ロロ・ピアーナがニューバランスとのコラボ990V6を販売するとの噂は、恥ずかしながらネットで知った。カラーウェイを替えただけのよくあるコラボではなく、ロロ・ピアーナが誇る最上級のマテリアルをふんだんに使った、真の意味での「贅沢な」シューズになるとのこと。これまで数々のニューバランス・シューズを誌面、ウェブで紹介し、自分たち自身も実際に履き潰してきたUOMO編集部として見逃すわけにはいかない。水面下でリサーチを続け、ようやくスタジオに運ぶことができたのが、この茶色いシューズボックスだ。
ロロ・ピアーナを象徴する色である「クンメル」(レンガ色)に彩られたボックス。天面中央にはnew balanceとLoro Pianaのロゴが並ぶ。スニーカー界では圧倒的な履き心地とクオリティの高さを誇るアメリカのブランド、そして世界最高のマテリアルと伝統的技術で揺るぎない信頼を寄せられるイタリアンブランド。最高峰同士のコラボであるシューズは当然超高額になるとの噂で、ある程度の覚悟はしていた。発表された国内販売価格は258,500円(税込)である。驚いたから念のためもう一度書くが258,500円(税込)である。レザーシューズであっても20万円以上の靴は超高級な部類。その大台を普段から愛用するニューバランスが大幅に超えてきた衝撃たるや。アメリカとイタリアからやってきた黒船ならぬ茶箱である。
いざ、緊張のアンボクシング!
驚いてばかりいてもしょうがない。いざ、開梱、開封の儀
箱を開けるとシューズの上に置かれた封筒あり。中には「ロロ・ピアーナとニューバランス ― 伝統と革新、そして究極のクオリティへの情熱を共有するふたつのブランドがコラボレーションします。」で始まる両ブランドからのメッセージが。
シューズは両ブランドのネームが入ったシューズバッグに片足ずつ包まれている。否が応でも期待は盛り上がる。
シューズバッグを取り出すと、他にも小袋が。これは替えのシューレースに違いない。
蚊取り線香状に美しく巻かれたスペアのシューレースが。これもレンガ色=クンメルだ。最近のニューバランスでは替えのシューレースが複数付属する場合も多いが、このようにキレイに巻かれていると気分も上がる。さすがロロ・ピアーナらしい気の利いた手仕事。
そして、ここからは一気に…
ドジャーン!とご対面。
ロロ・ピアーナの990V6、ついに全貌を現す!
第一印象は「思ったよりも普通の990V6」。アッパーのグレーから、レザーバーツのライトベージュ、そしてアクセントカラーである「クンメル」まで、トーナルなカラーリングは実に上品、そして声高にコラボを主張するような押しつけがましさがない。
しかし、細部に目を凝らすと只事ではないことに気づく。
特筆すべきはロロ・ピアーナが誇るニュージーランド産のペコラ・ネラ®ウールのアッパー。ペコラ・ネラ®は、近年主流の染色しやすい白い羊ではなく、柔らかながら強い弾力を持つニュージーランド産の黒羊を交配により自然な形でテキスタイルができるまでに増やし、今シーズン再登場したロロ・ピアーナならではの無染色ウールだ。
当初はロロ・ピアーナが作るスニーカーということで、とろみのあるしっとりした生地を想像していた。しかしペコラ・ネラ®の編地のアッパーはざっくりドライで、かつ肌当たりが優しい。ロロ・ピアーナが厳選したナチュラルなマテリアルであることがしっかりと伝わってくる。
さらにレイヤーされるレザーのパーツ。指でなぞるとねっとりとした肌触り。とにかく触れているだけで満足感があるが、施されているステッチの均一さにも驚いた。マスプロダクトである以上、スニーカーのステッチは多少なりともピッチにばらつきがある。だがこのコラボ990V6の場合は、微妙なカーブに沿っても一定でブレのないステッチ。作り込みの精度は桁違いだと感じた。
アウトソールはオフホワイトとクンメルの配色。通常の990V6と同じくミッドソールにはFuelCellを使用。
恐れ多くも最速試着!
すべてが常識離れしているこのシューズ。普通であれば細心の注意を払って撮影して終わりだが、こんな機会は滅多にない。どうせなら試着までしてしまおう。
履き心地については、あえて何も言いたくない。ニューバランスといえばすぐに「雲の上」云々の話が出てくるけど、そんなのどうでもいい。当然ながらいつもどおりの履き心地で、期待どおりのハイレベル。短時間の試着なのでわからないが、さらっとした天然ウールのアッパーは吸湿性も高く、足蒸れもかなり軽減されるのではと予想。
さてボトムには何を合わせるか。まずはアッパーの素材に合わせて、ウールのトラウザーズをはいてみた。当然ながら相性がいい。このパンツはグレーだけど、ネイビーでもはまると思う。シューズの雰囲気に寄せていくと、スラックスとの合わせになってくるけど…
ラグジュアリーなものは、あえて思いっきり逆方向に振ってみる。
ミリタリーの中でも生地が軽めな米軍オーバーパンツと合わせる。個人的にはこっちの組み合わせのほうが断然好き。オリーブドラブのボトムは、茶系トーナルのシューズにぴったりだし。
最後にさらにもう一段階ラフな方向に落として、スウェットのワイドパンツをはいてみた。裾にパンツがたまるくらいのレングスだと、シューレースやレザーパーツの切り替えなど視覚的にビジーな要素が減ってすっきり見える。これも気負いなく合わせられるし、実に自然で気に入った。
結論として、ニューバランス×ロロ・ピアーナの990V6は履いてナンボ。
最高の靴を作ろうとした結果、超ラグジュアリーになったものの、それでもなお「ちゃんと普通のニューバランス」なことが最大のサプライズかつ魅力だ。箱に入れっぱなしのまま愛でるお飾りではなくて、ちゃんと日々のファッションに合わせて履いてこそ幸せになれると思います。
その他のディテールをチェック
9月11日より、伊勢丹新宿店でロロ・ピアーナ×ニューバランスのコラボスニーカーが販売!
9月11日(水)より、伊勢丹新宿店本館1階ザ・ステージ〈ロロ・ピアーナ〉ロロ・デニム ポップアップストアにて、〈ニューバランス〉コラボレーションスニーカーが販売されます。
ニューバランス×ロロ・ピアーナ 990V6
258,500円(税込)
詳しい販売方法はこちらをご覧ください。