“東京スニーカー氏”ことエディターの小澤匡行がスニーカーにまつわるギモンに答える月イチ連載。今月はスマートな40代がビーチで似合うスニーカー3足をピックしました。
(右)白赤などのチェッカーもかつては定番でしたが、最近は白黒ばかり。¥4,500/ヴァンズ(ヴァンズ ジャパン) (中)ソックスをはいても見せないのがマナー。ローファーソックスを。¥16,000/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス) (左)インソールのクッション性もよくて履きやすい。¥8,800/クリアー ウェザー(ゼロ・ジャパン)
山には山、街には街のファッションがあるように、海には海のドレスコードがあります。コンビニとビーチはビーサンが正装とはよく言ったものですが、ハワイといえどハレクラニのラ メールのように、南国の高級レストランはビーサンがNGだったりします。大人たるもの、抜け感ばかりがいいわけじゃありませんね。常にちょっとした小ぎれいさを意識したいスマートな40代がビーチで似合うスニーカーを、海より山派の東京スニーカー氏が本気でピックしました。
僕が初めて海のスニーカーを認識したのは大学生の頃。ヴァンズのチェッカーフラッグのスリッポン(右)でした。毎週末、僕の地元の周りは体育館バスケで汗を流した後、海へ行くサーフィン派と渋谷に繰り出すクラブ派に二分されました。その前者の足元がスリッポンで、後者がナイキのエア フォース1だったんです。
ヴァンズのチェッカーボードのスリッポンは、陽気でエッチな’80年代の青春映画『初体験/リッジモント・ハイ』に登場する、海好き高校生役のショーン・ペンが履いてヒットしたことで有名。サントラのジャケットにも選ばれています。ジャクソン・ブラウンの能天気でラブリーな主題歌が最高に似合いますが、あえてこの白と黒を今年は都会的に履きたい気分。劇中の着こなしをソースにUOMOらしくアレンジするなら、キャンバーの白のロンTに黒いラコステの半袖ポロをレイヤードして黒の短丈ショーツ、なんてかなりアーバン&ビーチですよね。
そして海のイメージはありませんが、スリッポンとチェッカーという二つの要素をもつ21世紀版が、ナイキのエア ウーブン(中)かもしれません。これは編み込みなぶんだけ、通気性はいいし、踵を踏んでもOKなところが海っぽいじゃありませんか。
実際このモデルは、個人的にくるぶし見せてなんぼのバランス。ショーツが似合う大人のナイキだと思います。デビューは2000年ですが、往時を思い出すような新色が最近、立て続けに発売されているので、チェックしてください。スニーカーキッズの思い入れはなさそうで、比較的購入しやすいかと思います。
そして2014年にデビューしたばかりのクリアー ウェザー(左)で気になるモデルを見つけました。ヴァンズやコンバースのデザインを手がけた兄弟によるUSブランドで、価格のわりに高級感があるのですが、この内羽根はストリート視点で考えられています。経歴が物語るように、ディテールもボリュームも僕にとってはヴァンズのエラとランピンのミックス系にしか見えません。モードでスケートでビーチな感じ、すごく今っぽいのでは。
ゼロ・ジャパン TEL:03-6240-4306
NIKE カスタマーサービス TEL:0120-6453-77
Illustration:Yoshifumi Takeda
Text:Masayuki Ozawa
(2017年8月号掲載)