UOMOプリント版の連載『教えて! 東京スニーカー氏』でもおなじみの小澤匡行さんが、数多の中から極私的なおすすめモデルを厳選。
01:Reebok|Adsum Club C Mid Ⅱ
ミッドカットにソールまでのブラウンが絶妙
「クラブ シーはハイテクソールとか機能とは別の次元での履き心地のよさ、履き口がパイルになっているのも気に入っていて、毎日履きたいと思える要素がこの靴にはあります。NYのブランド、アドサムとのコラボはミッドカットという点と、使いやすいブラウン×ダークブラウンソールの配色もいいんです。ワイドジーンズなんかのときは足元にボリュームが欲しくなるので、ミッドカットがバランス的に合うんですよね。それから本来“Reebok”と入るべきタンやヒールカウターが”Adsum“になっていたり、サイドのボックスがブランクになっているのがブートレグっぽくて素敵です」(小澤)
2015年スタートした東海岸スタイル×スポーツを提案する、NY発のメンズウエアブランド、アドサムとのコラボレーション。クラブシー ミッド IIをベースに、ダークブラウンのヌバックアッパー&ヘアリースエードのヒールパッチでミニマルにアレンジした。スポーティなスタイルよりも、かっちりした着こなしに合せたくなる一足。
02:VANS|OLD SKOOL
ヴァンズを理解して大人っぽく仕上げた傑作
「プロップスストアのオーナーのおふたりとは同世代ということもあって、90年代のアメリカの捉え方に共感することが多く、とてもセンスがいいんですよね。“ヴァンズで個人的にカスタムオーダーをしたら“というコンセプトで配色を考えたそうで、昔ヴァンズにあったスチールブルーを再現しているあたりもさすが。フォクシングラインをなくしたり、ジャズラインのコバまでしっかり色を塗ったり、大人が履きやすく、いいスニーカーとは何かを理解して丁寧につくっている感じがします。明日にでも買いに行こうかと」(小澤)
スタッフ自らがアメリカで買い付ける、独自のセレクトにファンも多い原宿のインポートショップ「プロップストア」がカラーディレクションを担当。オールドスクールが登場した1977年当時の1stカラーをベースに、トゥカップとヒールにブラウンを加えて大人っぽい配色に。スポーティじゃないルックスが新鮮だ。
03:MIZUNO×nonnative|WAVE MUJIN TL MID GTX
墨黒のような枯れたオールブラックが魅力
「履きやすさも機能もミシュランソールのグリップ力も抜群な、ウェーブ ムジンTL MID GTXに新色が登場しました。今回の黒は発色にこだわって、意図的にちょっと褪せたような墨黒になっています。真っ黒って純度が高くてストイックだから、年齢を重ねると肌や髪色の枯れ感と合いにくくなってきますよね。スエード、ニット、ステッチ、アウトソールと素材が変われば黒のトーンが変わることも計算されています。大人が履きやすいような黒のレンジを、シューズで表現しているのが素晴らしいと思いました」(小澤)
2023年4月にリリースされ、大好評を博したコラボモデルのブラックバージョン。完成までに4年の歳月を費やしたというストーリーもさながら、タウンユースだけでなくアウトドアにも耐えるハイスペックで広く支持された。ブラックはモード感が加わり、コーディネート幅も広がっている。
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda