UOMOプリント版の連載『教えて! 東京スニーカー氏』でもおなじみの小澤匡行さんが、数多の中から極私的なおすすめモデルを厳選。
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01:NIKE|NIKE AlphaFly 3
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注目モデルの第1弾が「プロトタイプ」カラーで
「これはファッションとしてではなく、僕が注目しているパフォーマンスカテゴリーとして紹介したい一足。アルファフライ 3はナイキ最高峰のレーシングシューズです。2023年の東京マラソンで大迫(傑)選手が履いていて、ランニング業界でざわいたモデルが、やっと発売されます。厚底ながらアルファフライシリーズ最軽量ということで、トップアスリートたちが履いてテストしながら完成に近づけていく、発売までのストーリーはいつも魅力的です。レース用シューズの発売第1弾はたいてい白ベースのプロト(テスト仕様)カラー。おそらく箱根駅伝でもこれを履く選手がいると思います。そのあたりも楽しみです」(小澤)
ホワイトベースに前足部の2つのエア ズーム ユニットを強調するオレンジがアクセント。シカゴマラソンでケルビン・キプタムが 、2時間00分35秒のマラソン世界新記録を樹立したシューズとしてもランナー界では話題だ。着用テストに参加したアスリートの番号(20820-4)や、試行錯誤を繰り返したアッパーのアトムニットのバージョン数“V62“など、手書き風文字に開発プロセスの片鱗が。
02:MIZUNO|WAVE MUJIN TL GTX
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つい欲しくなるミズノの黒GORE-TEX
「オールブラックのGORE-TEXスニーカーを探すのは今や難しいことではなくなりましたが、歩きやすさやファッション感も含めて、ミズノの黒GORE-TEXモデルは僕の中で頭抜けています。本誌連載でも紹介したミズノ×マーガレット・ハウエルに続いて欲しくなったのは、このウエーブ ムジン TL GTX。2007年にトレラン用に開発されたそうですが当時は商品化されず、今回それをベースに今作が誕生しました。どこかY2Kムードがあるのは、そんな背景もあるからかと。デコラティブなデザインを圧着でソリッドに見せているミックス感覚も素晴らしい。ミシュランソールだから悪天候のロケや出張でもとても頼りになります」(小澤)
リップストップに合成皮革で複雑なレイヤーを施し、シルバーのアクセントを添えた、ハイスペックさとシンクロするデザイン。ベーシックなプロポーションは、スーツやジャケパンにもすっとなじむ。カジュアルコーディネートに大人っぽくテック感を加えたいときにも活躍してくれる。
03:ASICS|GEL-KAYANO 14
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白じゃなくてバニラだから合わせやすい名品
「テック感を象徴するシルバーのあしらいやこの粗いメッシュは、白でなくバニラカラーだと落ち着いて見えることに最近気づきました。ゲルカヤノ14は2008年にリリースされ、アメリカのランニング専門誌『RUNNER’S WORLD』の「INTERNATIONAL Editor’s Choice」賞を受賞したことで日本でも脚光を浴びました。2021年に復刻されてからは、キコ・コスタディノフがデザインしたり、JJJJoundやKITHもコラボするなど、現在のスニーカーシーンを牽引する存在です。2000年代を象徴するど真ん中のデザインだからこそ、クリームアッパーとかペールトーンのラインのような大人っぽいこの感じがよいと思っています」(小澤)
1993年に初代が登場したゲルカヤノの14代目。機能に応じて適材適所に多様な素材を配すことで生まれた、当時としてはボリュームのあるシルエット。メゾンブランドもオマージュするモデルとして、スニーカーファンからも注目されている。バニラカラーは2024年春夏の新色。
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NIKE カスタマーサービス TEL:0120-6453-77
ミズノお客様相談センター TEL:0120-320-799
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda