今やオンオフ問わず、おしゃれな大人のワードローブに欠かせないスニーカー。本誌『東京スニーカー氏』の連載でもおなじみの小澤匡行さんが、毎日発売される数多の中から極私的なおすすめモデルを厳選。今回はTOKYOらしさあふれるソフネット×ヴァンズのオーセンティック、エンジニアド ガーメンツ×ケースイスのアシンメトリーなクラシック、そして実用性とファッション性を両立するトッズの「ドライビング」スニーカーをピックアップ。
01:SOPHNET.×VANS|AUTHENTIC 44 DX
東京の街をグレーで表現したオーセンティック
「ソフネットは2019年春夏にもヴァンズとのコラボを出していて、そのとき以来かな。白、黒以外でソールまでワントーンのヴァンズってあまりないと思うので、このグレーはいいですね。東京の街から着想を得たグレーとのことですが、個人的にはロンドンぽいスモーク感が気に入りました。いい意味でカルチャー感を出したいときにヴァンズって履くと思うんですよ。ただそこに苦手意識がある人も多いと思います。だからファッションとしてヴァンズを履きたいときに、ソフネットのグレーワントーンはとてもいいんじゃないでしょうか」(小澤)
東京の街の景色をイメージしたヴァンズとのコラボレーション。今回は60年代当時のモデルを再現したANAHEIM FACTORY COLLECTION (アナハイム・ファクトリー・コレクション)のオーセンティック44 DXを採用。シュータンにあしらわれた両ブランドのロゴラベルや、東京の街並みを投影した半透明のアウトソールもスタイリッシュだ。
02:ENGINEERED GARMENTS×K・SWISS|CLASSIC GT
K・SWISSとの初コラボもアシンメトリーに
「K・SWISSの『クラシック』は80年代、90年代に大きなブームがあって、個人的には中学時代に学校で履いていたスニーカーというのが出会いでした。EG(エンジニアド ガーメンツ)がK・SWISSとコラボするのはこれが初だそうです。スムースレザーとスエードの切り替えがEGらしい感じですよね。意外にポイントはゴム紐に替えられたシューレースかもしれない。レザーも上質なのか、とても履きやすいし。気分的にもコーディネート的にも、ハイテクなスニーカーよりもローテクが落ち着くときってありますよね? もう卒業かと思っていた『クラシック』をまた履きたいと思わせてくれました」(小澤)
80年代に大ヒットしたオールレザーのテニスシューズ「クラシック」をベースにした別注。スニーカーには珍しいDリングアイレットや、5本のサイドライン、つま先の強度を高めた3ピーストウ構造はそのまま、同色のスムースレザーとスエードで左右非対称に切り替えた。スピンドルの留め具が付いたゴム紐仕様だから、イージーに脱ぎ履きできる。
03:TOD’S|SNEAKERS IN SUEDE
シンプルで実用的な「ドライビング」スニーカー
「トッズといえばゴンミーニが有名ですが、スニーカーにもいいデザインがあるなと、最近気づきました。僕は日ごろ、車で移動することが多くて、運転するとスニーカーのヒールが汚れることに辟易していたんです。やっぱり運転用にドライビングシューズが必要だと。ただ、僕自身がドレスカジュアルの人間ではないので、ストリートカジュアル的なスタイルにトッズが合うのか? いぶかしがりながらサイトを見ると、ジャーマントレーナー風のものもラインナップされていて、これなら一石二鳥。革靴に劣らぬ質の高さでライニングもレザーだし、フィット感も抜群。真剣に購入を検討しています」(小澤)
スエードアッパーにスムースレザーをあしらったガムソールのシンプルなスニーカー。シューレースやロゴまで、ネイビーのワントーンで仕上げられているのが好印象。ヒールにラバーペブルをエンボスしたラバーカップソールを採用することで、運転しやすい一足に。
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda