今やオンオフ問わず、おしゃれな大人のワードローブに欠かせないスニーカー。本誌『東京スニーカー氏』の連載でもおなじみの小澤匡行さんが、毎日発売される数多の中から極私的なおすすめモデルを厳選。今回はラグジュアリーブランドのスニーカーにフォーカス! メゾン マルジェラのライトなスポーツシューズやジル サンダーの定番モデルの新色、ヴァレンティノからはY2Kムードたっぷりのシルバースニーカーをピックアップ。
01:Maison Margiela|Feather Light Sneaker
フラットソールのライトなスポーツシューズ
「アディダスやプーマ、ドイツブランドのレトロなスニーカーが面白い動きをしているせいか、僕の中でジャーマントレーナーがちょっとしたブームに。改めて履いてみたいなと思って定番展開しているメゾン マルジェラに行ったら、新作でこんなにソールの薄いスニーカーが出ていました。90年代のスポーツシューズに着想したモデルだそうですが、ディテールをそぎ落としたデザインはどこかフェミニン。ヒールの華奢な丸みも、また艶めかしくて…新しい発見がありました」(小澤)
カーフスキンとスエードアッパーに、薄いガムソールが印象的。シューレースパートのラフなカットワークもメゾン マルジェラらしい。ヒールバックには手仕事を象徴する1本の白いステッチがあしらわれている。
02:VALENTINO GARAVANI|MS-2960
アイコンのスタッズが溶け込むシルバースニーカー
「ピエールパオロ・ピッチョーリが単独になってからのヴァレンティノのクリエーションには注目しています。いい意味でメンズとウィメンズの境界がなくなり、スニーカーもハイレベルなジェンダーレスデザインが増えました。このスニーカーは2000年代のランニングシューズを、ラグジュアリーに解釈したもの。厚みのあるソールや素材の重ね方、配色までバランス感が見事で、アイコンのスタッズなしでも成立する、すごく魅力的なプロダクトになっています」(小澤)
2023SSのプレコレクションで登場したニューモデル。クチュールメゾンならではのテクニックを活かして、アイコンのスタッズを手仕事であしらっている。超軽量ラバーソールを使用しているから、見た目に反して軽快な履き心地。
03:JIL SANDER|BASKET LO
ホワイトのトーン・オン・トーンが冴える新色
「昨年も紹介した、ジル サンダーの定番スニーカーの新色です。真っ白でなくグレイッシュトーンをミックスした配色、レザーはクリーンなスムースレザーで、日焼けしたようなソールやメッシュとのコントラストが際立ちます。以前は起毛のライニングだったのも、レザーに変わりました。僕はこのスニーカーを上から見たところが好きで、シューレースまでの距離が狭いところも気に入っています。ちゃんと今っぽい部分を落とし込める要素がある靴なんですよね。定番でありながら、その時代にフィットできるデザインを生み出すのは意外に難しいと思います(小澤)
バルカナイズド製法によるカーフレザーとメッシュアッパーのローカットスニーカー。サイドにJil Sanderのロゴが型押しで入る。複雑なレイヤーのデザインだが、ワントーンで仕上げることでシンプルに。合わせる服を選ばない万能シューズに仕上がっている。
ジルサンダージャパン TEL:0120-919-256
マルジェラ ジャパン クライアントサービス TEL:0120-934-779
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda