今やオンオフ問わず、おしゃれな大人のワードローブに欠かせないスニーカー。UOMO本誌『東京スニーカー氏』の連載でもおなじみの小澤匡行さんが、毎日発売される数多の中から今大人が選ぶべきモデルを厳選。今回は裏原宿にまつわるアディダスとプロケッズの2モデルを、当時のエピソードとともに紹介。またサッカースパイクを彷彿とさせるクレージュのモードなミュールスニーカーもレコメンド。
01:adidas Originals |CAMPUS SUPREME SOLE
パフォーマンスロゴのファットなキャンパスに注目
「キャンパスシュプリームソールは、1999年にバスケットのパフォーマンスシューズとして登場しました。だからトレフォイルではなくパフォーマンスロゴがあしらわれています。藤原ヒロシさんのメンズノンノの連載『ア・リトル・ノーレッジ』(2001年6月号)に登場したり、ヨッピーさん(江川芳文)も履いていたりして、裏原宿界隈ですごい人気を博したそうです。当時僕はアメリカにいたので、裏原宿とは違う文脈でコーディネートを考えていました。だから今でも、こういうY2Kを象徴するファットなアディダスには、スポーティなセットアップを合わせたくなる。それで大人がどこまでカッコよく履きこなせるか? トライしたいと思います」(小澤)
90年代初頭にスケートシーンでブレイクしていたキャンパスに、ハイスペックなシュプリームソールを搭載。パフォーマンスシューズとして再構築し、バスケットボールプレイヤー向けに発売されたキャンパスシュプリームソール。1999年に発売され、日本では2000年代に裏原宿で人気を博した。24年ぶりの復刻では、当時のムードを再現すべくキャンペーンに窪塚洋介を起用。合わせてチェックしてほしい。
02:Courreges |LEATHER CLUB 02 MULES SNEAKERS
サッカーシューズをモード感のあるミュールに
「クレージュは以前にも紹介しましたが、スニーカーをファッションとして切り取ることに長けたブランドです。このミュールも然り。黒アッパーにガムソールのフットボールシューズで、ミュールという斬新さ。ミュールスニーカーは今年のトレンドでもあり、これはかなりセンスがいい。2000年代にジルサンダーがプーマとコラボしたのもサッカーシューズでした。個人的にも最近、プーマのキングやパラメヒコなんかを買い集めているので、このデザインが刺さったんでしょうね。本家もやればいいのに…と、密かに思っています」(小澤)
コレクションではオールブラックのモードなスタイルやフレアジーンズなどのコーディネートで提案された2023年の新作。サッカーシューズを彷彿とさせるアッパーに、コンビネーションのソールで軽快なミュールに。モードにもカジュアルにも合わせられる振り幅の広いシューズとして、ヘビロテすること間違いなし。
03:PRO-Keds|ROYAL PLUS SUEDE
「ラスト・コロンビア」を日本製で忠実に復刻
「このスニーカーを見ると『裏原宿トレンドの創造主』という見出しとともに、日経新聞に掲載された藤原ヒロシさんを思い出します。1996年末のことでしたが、それまでコロンビアで製造していたプロケッズを、中国でつくることになった。それで最後のコロンビア製をヒロシさんが『ラスト・コロンビア』と名付けたら、それまで年に数百足しか売れなかったプロケッズが、そのネーミングひとつで3か月に2万足売れるという経済効果があったという記事でした。その『ラスト・コロンビア』と呼ばれたロイヤルプラススエードを日本製で忠実に復刻したのが今作です。かなりの大人価格ですが、オレが買わずして誰が買うという気持ちで買いました」(小澤)
80~90年代のロイヤルプラススエードのフォルム、ディテール、カラーを再現しつつ、 現代の技術や機能を投入し、国内生産のレザーなどベストな素材を使用してアップグレード。アウトソールにはプロケッズアーカイブのソールパターンをヴィブラム社製「エコステップ」で再構築するなど、マニアにも響く1足に。大人が履くのにふさわしいスニーカーだ。
「大人の春スニーカー」のおすすめはコレ!
エドストローム オフィス TEL:03-6427-5901
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda