今やオンオフ問わず、おしゃれな大人のワードローブに欠かせないスニーカー。本誌『東京スニーカー氏』の連載でもおなじみの小澤匡行さんが、毎日発売される数多の中から今大人が選ぶべきモデルを厳選。今回は80年代のカルチャーを語る上で忘れてはならないアディダスの名品の復刻バッシュをピックアップ。スニーカー愛好家の間で人気の左右非対称を落とし込んだヴァンズ、おしゃれ通に支持されるリーボックの定番と、レトロな3足がそろった。
01:adidas Originals|EL DORADO
80年代のアディダスを代表する伝説のバッシュ
「1987年に発売された“アディダスのオールドスクールといえば”というバッシュのひとつ。当時ユーイングやインスティンクトといったバッシュが、アディダスから続々と発売されてブレイクしました。このエル・ドラードもそんなひとつ。個人的には白黒赤というRUN DMCカラーに食指が動きましたが、大人がファッションとして取り入れるならこのオフ白×グレー。リザードを配したり、ソールをヴィンテージっぽく黄変カラーにしたりしていますが、このぐらいちょうどいい。80年代のアディダスは僕がいちばん好きな時代。復刻してほしいモデルが、まだたくさんあります」(小澤)
ヒップホップカルチャーやストリートシーンに影響を与えた、アディダス オリジナルスのクラシックスタイルを代表するバッシュ。RUN DMCのシグニチャーモデルだったことでもマニアの間では人気が高く、オリジナルカラー=オフホワイト/コアブラック/スカーレット(RUN DMCカラー)も展開されている。
02:NEEDLES×VAULT BY VANS|ERA / SLIP-ON
左右非対称の“バカ履き”が素直にできるコラボ
「スニーカーマニアの間ではおなじみの、左右異なる色のスニーカーを履く“バカ履き”。個人的にヴァンズなら意外とありだなと思っていたら、ニードルズとのコラボはなんとモデルすら異なるという驚きのアプローチ。最近ヴァンズのスリップオンやオールドスクールをよく履いていますが、少し物足りないと思うときに試してみようかな。色みも落ち着いた黒がいい感じです。30年間スニーカーシーンを見てきましたが、この履き方をしてみたい、と本気で思ったのは初めてかも」(小澤)
ヴォルトバイ ヴァンズは2003年に始動したヴァンズのハイエンドライン。このコラボは左がエラ、右がスリッポンのアシンメトリックデザイン。今季のニードルズのシューズラインのキーカラー、ブラックとトープの2色をスエード素材で展開する。VANSのロゴタグにはブランドカラーのパープル。シンプルベーシックながらインパクトが出せるスニーカーだ。
03:Reebok|Classic Leather 1983 Vintage
ロゴや国旗のワンポイントが目に留まる復刻版
「クラブシーと並んで僕が好きな、リーボックのクラシックレザー。オールホワイトのようなミニマルな別注をよく見かけますが、僕的にはスタークレストの赤やユニオンジャックが生きるこのぐらいのデザインがベスト。スニーカー好きとしては、足元がスルーされないためのポイントは必要だし、この時代のリーボックロゴの書体も好きなんです。カラーも真っ白よりもヴィンテージ感のあるエクリュ(リーボック表記としてはチョーク)が、品があっていいなと思います」(小澤)
リーボックのクラシックスタイルを代表するレザースニーカー。1983年に発売され、ソフトで軽いガーメントレザーの快適な履き心地でスポーツシーンでも評価された。現在ではケンドリック・ラマーがコラボしているモデルとしても有名。このクラシックレザー1983ヴィンテージは、発売当時の仕様はそのまま、シルエットを現代的にアップデートした復刻版。
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda