今やオンオフ問わず、おしゃれな大人のワードローブに欠かせないスニーカー。本誌『東京スニーカー氏』の連載でもおなじみの小澤匡行さんが、毎日発売される数多の中から今大人が選ぶべきモデルを厳選。今回は裏原宿世代なら「懐かしい!」と衝動買いしたくなるUE×グラビスのコラボスリッポン、スペイン発のヴィーガンスニーカーブランド「セイ」と、同じくスペインのコンフォートシューズブランド「カラハン」を紹介!
01: uniform experiment×gravis|CURICKET
アーリー00’sにブレイクしたスリッポンの現代版
「2000年前後に裏原宿に青春をささげた人なら誰しも、懐かしいと思うデザインじゃないでしょうか? 僕もそのひとりです。このタイプのスリッポンが古臭く感じた時期もありましたが、一周したせいか今また新鮮。当時ヒットしていたのはスクエアトウだったので、履きこなすのが難しかった。このUE×グラビスは丸みのあるフォルムで、よりスニーカーっぽいルックス。今ならルメールのブラックジーンズに合わせたり、等身大で履ける気がします」(小澤)
上質なカウレザーのアッパーにグラビス初期のアーカイブスリップオンソールを融合。革靴ライクでいてスポーツシューズの履き心地がうれいい。アーリー00’sのフレーヴァーが漂うホワイトソールスニーカーだ。
02:SAYE|MODELO ’89
ファッション好きに響くスタンダードなデザイン
「時代の流れから生まれてきたヴィーガンシューズブランドが、ヨーロッパで根付きはじめています。ヴェジャに続く可能性を感じるのが、このセイです。フラッグシップモデルとなっているモデロ’89は、僕が大好きな80’sのスニーカーがベースだと思いますが、このナチュラルカラーはとにかく配色がいい。このタイプはスニーカーファンに向けてというよりも、ファッションが好きな人に響くモデル。彼らにとっては万能で、スタンダードになりつつある気がします」(小澤)
バイオベース素材やリサイクル素材にこだわるのはもちろん、製造工程も開示してものづくりを進めるセイ。環境問題への取り組みとして、スニーカーが1足売れるごとに2本の木を植樹する活動も行っている。ホワイトベースの展開もおしゃれ好きに支持される理由。
03:CallagHan|17826
空洞ソールが象徴的なコンフォートシューズ
「カラハンはスペインのシューズブランドで、独自開発した“アダプタクション・テクノロジー”アウトソールで特許を取っています。インソールもすごくよくて、本当に履きやすい。年配の人が履きそうな丸みを帯びたフォルムが特徴ですが、このクロッグ風シューズはおしゃれな人が履いていたら『どこの?』と聞きたくなるような一足です。コンフォートを追求しているスニーカーだからこその“狙ってない感”が、表現できると思います」(小澤)
1968年にスペインで創業し、2019年に日本初上陸したカラハン。イタリアのソールメーカー「フィンプロジェクト」社と共同開発した「マレ ソール」は、二層に成型されたEVAソールは空洞がクッションとなって快適な履き心地を生み出す。本体も人間工学に基づいたデザインで、アッパーは柔らかいヌバック素材。大人のコンフォートシューズとして注目!
Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda