2025年3月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!
BEST5 【コンバース】人気のローファースニーカーの中でも、大人にぴったりの本格派
革靴っぽく履ける正統なローファースニーカー
「スケーターがパーティなどでドレスアップするためのローファースニーカーが今、トレンドになっています。コンバース スケートボーディングのビットローファーは、もっとも正統なローファースニーカーだと思います。ビットのディテールも本格的ですし、木型もきれいだから上から見たときのルックスや着用感も、本当のローファーを履いているように感じました。
サイドにはクレープソール風のフォクシングテープを巻いているので、アッパーとソールのバランスもよく、ヒールにあしらわれたシェブロンスターの型押しもさり気ない。ヒールパッチを黒で目立たなくするなど、スニーカーとは思えないシックなデザインでまとめています。
今回の撮影ではブラウンをピックアップしましたが、ブラックもあります。ブラウンにはトラッドなルックスやトレンド感が、ブラックはより革靴っぽいムードがあって、それぞれによさがあります」(小澤)
BEST4 メゾン マルジェラの薄底新作スニーカー「スプリンターズ」はまるでアートピース!
飾っておきたくなるアートピースのようなスニーカー
「60年代のまだ未発達な、進化を遂げる前のランニングシューズやスパイクのデザインを取り入れた、メゾン マルジェラの新作スニーカーです。当時はアッパーにナイロン素材を使うのが主流だったはずですが、それをコットンドリルにしているのがファッショナブルだし、当時のものにもないようなレトロな雰囲気を醸し出してます。メゾンのヴィンテージのドレスを見ているような感覚です。
素材の使い方だけでなく、さらりとユーズド加工を施していてスエードがケバ立っていたり・・・細部を見ていると靴の形をした洋服のような感じがしてくるんです。僕はスニーカーを飾りたいとか見ていたいといった感情は普段持たないんですが、これはショーケースに入れておきたい。そう思えるようなアートピースだと思います。
今の靴だけど、そうは見えない。飾って様になりそうな靴という点からも、感覚的にスニーカーじゃないんですよね。スポーツシューズへのオマージュのようでいてモードになっている。かなりモダンに見えるのではないでしょうか」(小澤)
BEST3 コアファン歓喜。ニューバランスの隠れ名品「ミニマス トレイル」がモノトーンで復刻
ニューバランスの復刻薄底モデルの新作
「2011年に登場した『ミニマス(MINIMUS)』というラインが、去年からひそかに(?)復活していて、コアなファンの間でちょっとした話題になっています。ミニマスはベアフットの理論を踏襲するミニマルなデザインをコンセプトにしたシリーズで、当時好きで履いていました。2012年からトレイル用のミニマス ML71が発売されて人気を博し、996や1300の配色を落とし込んだ限定モデルが出たことも覚えています。
このようにミニマスはロードとトレイル用の2タイプがありましたが、今回はトレランモデルが復刻されました。この3月に発売された新作は2000年代っぽいデザインの感覚があって、何よりもこのソールの薄さが今のトレンドにマッチします。
990シリーズを愛用している人にはモダンなニューバランスに見えると思います。昨年復刻されたモデルとアッパーの素材は同じですが、前回のブラックはネオンイエローとの配色でした。今回はブラック×グレーのモノトーン。ファッションとして合わせやすく、いつもの着こなしをフレッシュに見せてくれます」(小澤)
BEST2 【VANS】履き心地がよくて大人に似合う、ヴァンズの『プレミアムオールドスクール』
クッショニングと合わせやすさで群を抜く
「2月に発売されたヴァンズの『プレミアムオールドスクール ミュージックコレクション』の一足です。ヴァンズがスケーターだけでなく、ミュージシャンにも愛されていた歴史をセレブレートするカプセルコレクションの第1弾として、このレッドやレオパード柄が登場しました。
ヴァンズはロックとかスケートといった雰囲気を持っている人のほうがカッコよく履きこなせるイメージがずっとありますが、そんなことを考えなくても合わせやすいのがプレミアムラインの魅力。僕はプレミアムのオールドスクール(の黒)を最近よく履いています。まず履き心地がいいし、シルエットが今どきのパンツに合います。ジーンズでもスラックスでも、スウェットパンツでも、とにかく収まりがいい。
靴のつくりとしても、よくできていると思います。最近の海外出張にも持っていきましたが、合わせやすさとクッショニング、総合力が高くて、すごく活躍しました。カルチャーレスなスタイルでも、しっくり見える安心感もあります」(小澤)
BEST1 【MERRELL】メレルの名品「ジャングル モック」の数量限定プレミアムモデル
名品ジャングル モックを今のムードでデザイン
「メレルの1TRL (ワンティーアールエル)という、ファッション向けのプレミアムなラインから今年出た、新しいジャングル モックです。ここのところメレルは人気を集めていますが、Y2Kやゴープコア(GORPはGood Old Raisins and Peanutsの頭文字をとった造語。アウトドア要素を日常に取り入れたスタイル)のトレンドがあるとはいえ、じゃあ僕たちの世代が好きだったあの時代のジャングル モックをファッションとして履くか? と言われたら、そうではない気がします。実は僕も2年前に定番のジャングル モックを買ってみたものの、やっぱり今着ている服に合わせると、時代感を合わせるのが難しいなと感じました。
今年1月に登場したこの『ジャングル モック エボ ベント』は、甲部分のゴム使いや、アッパーのしずく型のデザインが2000年代ぽくて、今のユースなムードのトレンドに合っています。グレーにブルーを差した配色も合わせやすそうです。アウトドアに捉われず、ストリートなスタイルで履くのが僕はいいと思います。マウンパとかダウンベストに合せるのではなく、シャツやスラックスのモダンな格好に合わせるぐらいがおしゃれじゃないかと。
土踏まず部分が盛り上がっているところがいなたい部分ですが、これがこのシューズの愛すべきところ。『ジャングル モック エボ ベント』のような、アウトドア専門店が扱っていないモデルのほうが、ファッションとして履くには合わせやすいと思います」(小澤)