2025年2月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!
BEST5 【PRADA】「ローテクの極み」が今の気分なプラダの薄底スニーカー「プラダ コラプス」
今の気分が凝縮されたファッションシューズ
「プラダの新作スニーカー『プラダ コラプス』は、レトロランニングシューズのアッパーをベースにしつつ、バレエシューズのディテールを取り入れて、踵を踏めばミュールにもなるという、ローテクの極みというか今の気分が全部凝縮された見事なシューズです。プラダのECサイトで見た瞬間、こればドンズバな靴が出たなと思いました。このミックスアップ感はなかなか出せるものではありません。
スポーツメーカーでは難しいとされることを、プラダはサラッとやってのけています。ベーシックかつモダンなデザインで、しかも今までにない感覚のスニーカーです。見た目には頼りない印象を覚えましたが、実際に履いてみるとものすごくフィットがしっかりしている。もちろんソールは薄いんですが、アッパーのつくりは本格的です。
サテン風のナイロン生地とスエードのコンビネーションで、ヴィンテージ加工が施されているのもさすがです。バレエシューズを履いたことがないので、未知の領域ではありますが、今のトレンドに乗って、先入観を押し切って取り入れてもいいんじゃないでしょうか」(小澤)
BEST4 【サロモン】ソフトなデザインのランニングシューズ「DRX ディファイグラベル」
ロードも砂利道も行けるランニングシューズ
「サロモンの24FWのニューモデルとして登場したDRX ディファイグラベル。デビューシーズンに出たデンマークのサイクリングウェアブランド、PAS NORMAL STUDIOSとのコラボレーションカラー、オリーブをこの秋冬はよく履いています。みんなが好きなハードでプロテクトされたモード感のあるサロモンではありませんが、僕はとても気に入ってます。
DRX ディファイグラベルの魅力はロードや芝を走って、そのまま砂利道やトレイル、自転車も行けるところ。オールマイティな機能がソフトなデザインにまとまっていて、自分のライフスタイルにフィットしました。
ジムのトレッドミルのディスプレイで、ランニングコースの画面を選択できるんですが、ある日サンフランシスコの景色で走ってみたとき、街中から山、野原や川へと画像が変わっていくんですよ。そういう感じって実際の日本のランにはないから、いかにも欧米のシューズらしい、このコンセプトはいいなと思いました。僕は出張などで海外に行ったときも走るので、DRX ディファイグラベルの何でもカバーできる色が出たらまた欲しいなと思います」(小澤)
BEST3 【ニューバランス】DSMとコラボした、オールブラックの「991v2」
スペシャルな黒をまとった大人の990品番
「ニューバランスの990番台は、今も高い人気を誇っています。最新のものが欲しい人は990の新しいバージョン、もう少しベーシック系が好きな人は992や993を狙っている気がしますが、僕は991のシリーズが一番好きで6色ぐらいもっています。定期的に出るものでもないので、発売すれば必ずチェックしています。一番最近出たのがこのニューバランス×ドーバーストリートマーケットのオールブラック。
993をはじめ990シリーズのオールブラックはおしゃれ好きに支持されています。でもドーバーの黒は、質感や濃度がニューバランスの使う黒とはまったく違っていて、黒の表現は奥が深いなとドーバーのトリプルブラックコラボを見るたびに感じます。この991v2も奇をてらったことはしていませんが、素材の組み合わせもよくて、すごくスペシャルな黒に仕上がっている。
デザイン的にはシュータンのロゴを左右非対称にするなど多少アレンジされていて、さりげないけれどドーバーらしさはしっかり落とし込まれています。991v2は僕的にはボリューム感もちょうどよくて、ハイテクすぎないどこかローテク感のあるところもいい。これが992だとちょっと若さが出るような気もするので、そういう意味でも大人の990品番だと僕は思います」(小澤)
BEST2 【リーボック】ミニマルなオール白の「クラブシー」新作
ホワイトだからこそわかるデザイン性の高さ
「大好きなクラブシーの新作です。サイドストライプがややクリームがかった色で、ヒール部分にグレージュのスエードがあしらわれていますが、サイドボックスのロゴは白です。このアイデンティティを薄めていくクリエーションは、UOMO読者にとってすごくいいんじゃないかなと思いました。
クラブシーはやわらかいガーメントレザーを使用しているので足によくなじみ、パイルのライニングも心地よくて気に入っています。シンプルなイメージがあったけれど、こうして真っ白になると、それなりにデザインされているのがわかって、僕が好きだったクラブシーの本質が見えてきました。丸みのあるシェイプや中厚のソール、トゥ部分のパンチング… 僕はクラブシーの80年代っぽいところが今も好きです。
スニーカーは履くけれどカルチャー的な匂いを出したくない、あるいはカルチャーの側面は必要ないという人であればあるほど、このクラブシーはいいモデルなのだと思います」(小澤)
BEST1 【オン】ファッションで履くか、ランニング用か。新作「Cloudsurfer 2」はどっち?
ファッションに合わせて履きたいオンの新作
「クラウドサーファーはオンが創業当初からつくっているロードランニングシューズです。数年おきにアップーデートされ、ルックスも初代からだいぶ変わってきていますが、名前はそのままという定番。それが今回クラウドサーファー2となって登場しました。
オンのスニーカーは僕の中で大きく2タイプに分かれていて、ファッションに合わせて履きたいか、ランニングユースオンリーか。その違いはソールの形状によるところが大きいです。新作のクラウドサーファー2は、ファッションに合わせて履きたいほう。クラウドテックフェーズのソールがスーッとフラットでロッカー構造になっているのがこのタイプです。ソールがデコボコしているクラウドモンスター2のようなモデルは、わりと存在感が強めなのでもっぱらラン用。もちろん、どっちをタウンで履いてもいいんですが、僕はデイリーユースならフラットなほうが好きです。
それからオンが素晴らしいのは配色のセンス。ニットアッパーのスニーカーってパーツがどんどん少なくなっていて切り替えなどがないから、配色のコントラストの表現が難しいと思うんです。それでもオンはシューレース留めにさり気なくイエローをあしらったり、とてもきれいにこなしています」(小澤)