大人の足元をスポーティかつ洒脱に彩ってくれるアディダスのスニーカー。2023年も数々の魅力的な新作が発表された。今回はその中でも、東京スニーカー氏こと小澤匡行氏が特に注目した5型をご紹介しよう。
01:adidas Originals|HAND 2
スケートシューズの雰囲気をまとうハンド2
「ハンド2はアディダスのハンドボールシューズとして誕生したスニーカーです。クラシックなハンドボール スペツィアルの復刻は僕も何足か買っていたので、見慣れないモデルが出てきたなと。このハンド2はスペイン製のアーカイブを忠実に復刻しているとか。あまりレトロな感じがしないのはどうしてだろう? と考えて見てみたら、サイドのスリーストライプスが配色になっていたり、アンクルパッドが厚かったり、ガムシューズのつま先のフォルムも含めてどこかスケートシューズっぽい。クラシック好きよりはストリート好きに響きそうで、特にUKっぽいスタイルに合わせたらハマると思います」(小澤)
スペインでつくられていたHANDBALL Ⅱのリイシュー。スエードアッパーにホワイトとマットゴールドのスリーストライプスがアクセント。カレッジグリーンにガムラバーアウトソールの組み合わせがレトロなムードを演出しつつ、シュータンにはボックスロゴをあしらうなど、ファッション感度の高い一足に。秋冬コーデに華やかさを添えるスニーカーとしても注目。
02:adidas Originals|RIVALRY 86 LOW
80年代の名品バッシュは細身のラストが決め手
「アディダスの名品バッシュ、ライバルリーの1986年製のオリジナルデザインをベースにしたシリーズです。昨年から買った4足の中でも、この木型がいちばん細いですね。素材の使い方も含めて、レトロな80年代の細身バッシュをいい感じに再現しています。サンバのようなフォルムが好きな人も、トライしやすいのではないでしょうか? 僕は80年代のヒップホップカルチャーが一番好きなゾーンなので、この時代のアディダスのバッシュには弱いんです。ただこの配色を履きこなす自信はなかったんですが、最近、茶色のツイードのセットアップを買ったので、それに合わせたら素敵かも? と思いました」(小澤)
ピンストライプを添えた配色スリーストライプスがアイコニックなライバルリーは、1986年にバスケットボールシューズとして誕生。人気NBA選手のシグニチャーモデルとして登場し、コートからストリートへと進出した。クラウドホワイトのアッパーにカレッジ感のあるバーガンディ×イエローの配色が今また気分。
03:adidas originals|CAMPUS SUPREME
2000年代の原宿スタイルを象徴する一足
「キャンパス シュプリームに、アトモス系列店とアディダス直営店のみで展開される限定のウィートカラーが発売され、紹介せずにはいられない僕です。個人的には藤原ヒロシさんがメンズノンノの連載“ア・リトル・ノーレッジ”で履いていた印象が強く、往年の原宿カルチャーを感じる色。2000年代にはティンバーランドの6インチブーツが流行ったこともあって、ウィートカラーのスニーカーがたくさんありました。みんなそれをブーツっぽい感覚で履いていた。今取り入れればY2Kな気分が出せます。大人らしく品のあるカジュアルに、秋っぽさを添える感じでどうぞ(小澤)
アディダスの名作、キャンパスの派生モデル。今作は2000年代に人気を博したスケートボーディングスタイルのスニーカーの復刻版。ウィートカラーのスエードアッパーと呼応する、ガムアウトソールの組み合わせが今っぽい。
04:adidas originals|BERMUDA
ローテクなガムソールが今の気分にマッチ
「サンバがこれだけ流行っているので、アディダスの薄底のローテクスニーカーを履いていると、かなりの確率で『そのモデルは何?』と聞かれます。おしゃれ好きな人たちがローテクなアディダスの面白さに気づいて、いい流れがきているようです。バミューダは70年代に登場したアイランド・シリーズのひとつ。サイドにモデル名などが入っておらず、匿名性があるところもスタイリッシュ。何よりガムソールが今、ファッションとして合わせやすい。イエローの色みが少し強い気もしましたが、このバミューダもかなりいい感じです」(小澤)
バミューダ諸島のリラックスしたライフスタイルにインスピレーションを得た、クラシックなスニーカー。レトロなガムアウトソールにスエードのアッパー、フロッキー加工のスリーストライプスと素材のコンビネーションも絶妙だ。シンプルなコーディネートの足もとに合わせて、スニーカーを主役に。
05:adidas originals|Stan Smith Lux
プレミアムレザーのホワイト「スタンスミス」
「エディフィス恒例のアディダス オリジナルス別注です。セレクトショップの別注には定番をいかにファッショナブルにするか? という命題がありますよね。その中でもエディフィスは、定番に匿名性を持たせる色や素材の使い方を極めている気がします。オリジナルの存在感をナチュラルに薄めて、洋服にマッチする高級感や汎用性をプラスする。そんなことを愚直にやっているのがエディフィスのよさではないでしょうか。このスタンスミスも本革、レザーライニングでロゴなどはすべて型押しと。ナチュラルなホワイトの色みもオリジナリティがあります」(小澤)
「WHITE」をコンセプトにした今回のコラボレーション。ロゴを型押しでミニマルにするなどヴィンテージを現代的に表現し、プレミアムレザーでタイムレスなスニーカーに仕上げた。合わせる服を選ばず、スーツにもフィットし、カジュアルには品のよさを添えてくれる。