白や黒以上に持っておくと便利なのが、グレーカラーのスニーカー。白よりコーディネートに馴染みやすく、黒ほど重くならないので、夏の着こなしにもぴったりだ。UOMOプリント版の連載でもおなじみの「東京スニーカー氏」こと小澤匡行氏も注目する4足なら、ワンランク上のスニーカースタイルを構築できるはずだ。
01:JIL SANDER|BASKET LO
ホワイトのトーン・オン・トーンが冴える新色
「昨年も紹介した、ジル サンダーの定番スニーカーの新色です。真っ白でなくグレイッシュトーンをミックスした配色、レザーはクリーンなスムースレザーで、日焼けしたようなソールやメッシュとのコントラストが際立ちます。以前は起毛のライニングだったのも、レザーに変わりました。僕はこのスニーカーを上から見たところが好きで、シューレースまでの距離が狭いところも気に入っています。ちゃんと今っぽい部分を落とし込める要素がある靴なんですよね。定番でありながら、その時代にフィットできるデザインを生み出すのは意外に難しいと思います(小澤)
バルカナイズド製法によるカーフレザーとメッシュアッパーのローカットスニーカー。サイドにJil Sanderのロゴが型押しで入る。複雑なレイヤーのデザインだが、ワントーンで仕上げることでシンプルに。合わせる服を選ばない万能シューズに仕上がっている。
02:Graphpaper|MIZUNO WaveRider β for Graphpaper
シュレーダー邸のカラーパレットをスニーカーに
「オランダの建築家ヘリット・リートフェルトの、世界遺産にも登録されているシュレーダー邸のカラーパレットを落とし込んだ、グラフペーパーらしいスニーカーです。スニーカーを建築や家具のようなものと結びつける“スニーカーカルチャー”とは違うアプローチを、僕はとても大事だと思っています。ミズノのウエーブライダーはハイパーランシューとしておなじみですが、グラフペーパーのアイデアを表現しやすいモデルでもあったんでしょうね。ミズノのスニーカーはデザインとしても優秀なものが多いので、これをきっかけにいろんなミズノを見てもらえたらいいですね」(小澤)
ミズノのランニングシューズを代表する「ウエーブ」シリーズの最新モデル、ウエーブライダーベータがベース。シュレーダー邸の外壁のグレーとホワイトをベースカラーに、細かなパーツにアクセントカラーのイエロー、レッド、ブルーをあしらったモダンな配色が秀逸だ。
03:SOPHNET.×VANS|AUTHENTIC 44 DX
東京の街をグレーで表現したオーセンティック
「ソフネットは2019年春夏にもヴァンズとのコラボを出していて、そのとき以来かな。白、黒以外でソールまでワントーンのヴァンズってあまりないと思うので、このグレーはいいですね。東京の街から着想を得たグレーとのことですが、個人的にはロンドンぽいスモーク感が気に入りました。いい意味でカルチャー感を出したいときにヴァンズって履くと思うんですよ。ただそこに苦手意識がある人も多いと思います。だからファッションとしてヴァンズを履きたいときに、ソフネットのグレーワントーンはとてもいいんじゃないでしょうか」(小澤)
東京の街の景色をイメージしたヴァンズとのコラボレーション。今回は60年代当時のモデルを再現したANAHEIM FACTORY COLLECTION (アナハイム・ファクトリー・コレクション)のオーセンティック44 DXを採用。シュータンにあしらわれた両ブランドのロゴラベルや、東京の街並みを投影した半透明のアウトソールもスタイリッシュだ。
04:COMME des GARÇONS HOMME|New Balance MT580
プレミアムな素材とグレイッシュトーンで洗練
「昨年末にもこの連載でヘクティク×ステューシー×ミタスニーカーズの復刻MT580を紹介しましたが、配色が変わるとイメージもまったく変わるという好例です。コム デ ギャルソン・オムの展示会で初めて見たときに『すごくいい配色!』と心を奪われました。それから半年以上経ちましたが、改めてこのオフホワイト×ライトグレーに自分の今の空気感が凝縮されていると感じました。革の質感がよくて重厚感があり、カラーリングはライト。これぞまさに大人のスニーカーといった仕上がりになっています」(小澤)
ニューバランスのオフロード用トレイルランニングモデルとして、1996年に登場したMT580。着地面積の広いフラットなソールが特徴で、安定性をサポートする“ROLLBAR(ロールバー)”を採用したのが画期的だった。今回のコラボではプレミアムな素材を使用し、オフホワイト、ライトグレー、チャコールグレーのカラーパレット「MOONBEAM」(掲載カラー)と「PHANTOM」で洗練したスニーカーに。