白・黒スニーカーは大人の足元の定番中の定番だが、今のイチ押しはベージュカラーのスニーカー。落ち着いた優しい色合いが大人の余裕を醸し出してくれる。UOMO本誌連載でもおなじみの「東京スニーカー氏」こと小澤匡行氏がピックアップした6足なら手に入れておいて損はない。
01:KENZO|KENZO-DOME LEATHER TRAINER
スケーターカルチャーを融合した待望のスニーカー
「NIGO®さんが手がけるアイテムの中でも、僕が一番気になるはやっぱり靴なんです。ベイプスタに始まりアディダスの別注、リーガルの別注など、どれもその時代にフィットするキャッチーなものでした。ケンゾーのアーティスティック・ディレクターになってリリースされたスニーカーも然り。これは最新のシンプルなスケートシューズですが、ロゴの使い方も最高です。ヒールのKの刺しゅうも、本来なら僕は無地が好きなはずなのに、コレがあるからいいと思える。僕らが90年代のストリートブランドに抱いた憧れや求心力の源は、ロゴのカッコよさでした。このスニーカーにはそんな当時を彷彿とさせるポイントがたくさんあります」(小澤)
フラットなアウトソールや分厚いタンなど、90年代のスケートシューズの美学を受け継いだデザイン。ダーティバックス風のベージュはスエードアッパーにラバーアウトソールのコンビネーション。KENZO-DOMEという名前は、パリのパレ・ド・トーキョーの敷地内にあるスケートボードのランドマーク「DOME」に由来する。
02:New Balance|M2002RMG
人気のミュールがオフホワイトワントーンで
「スニーカーとサンダルの中間的なミュールが、ファッションとして定着した気がします。M2002Rのミュール型もすでに多くのカラーバリエーションが登場していますが、上品なオフホワイトがこの6月に発売になるそうです。今までのモデルと違って、アッパー、ソールからロゴまでワントーンのミニマルなルックスが個人的にうれしい。最近はルーズなソックスが戻ってきているので、ミュールであることをアピールできるように、ショーツといいバランスでコーディネートできたらと思います。ファッションの新しい形として取り入れるのがよさそうです」(小澤)
2010年にデビューしたUSA製「MR2002」を、アジア生産で復刻したM2002Rのミュールアレンジ。2022年に登場するや人気を博し、セレクトショップの別注なども展開されている。オフホワイトのワントーンで仕上げた今作は、コーディネートの振り幅の広さも魅力的。
03:OUR LEGACY|GAVE “FUDGIN BROWN SUEDE”
90’s~00’sのストリートムードを感じるデザイン
「アワーレガシーは、僕たち世代にはちょっと若いかなと思っていたんですが、90’sのインスピレーションや2000年代の日本のシーンなど、自分が20年間見てきたストリートの軸が、しっかりミックスされている感覚が気になるブランドだなと。このGAVE(ゲイブ)を見て確信しました。僕もよく知るスニーカーへのオマージュがあって、全体的にはクラフト感のあるデザイン。本来は甲への圧迫を逃がしたりフィットを高めるオフセット仕様のシューレースもデザインの一部にして、ファッションシューズに仕上げています」(小澤)
「Bold」をテーマに、経年変化で起こるプロポーションのゆがみや劣化を落とし込んだ2023年秋冬コレクション。このスニーカーにもそんなディテールが散見される。ベージュ系の2トーンにブルーのハトメやロゴパーツが、モダンなアクセントを添えている。
04:adidas Originals|Stan Smith Lux
プレミアムレザーのホワイト「スタンスミス」
「エディフィス恒例のアディダス オリジナルス別注です。セレクトショップの別注には定番をいかにファッショナブルにするか? という命題がありますよね。その中でもエディフィスは、定番に匿名性を持たせる色や素材の使い方を極めている気がします。オリジナルの存在感をナチュラルに薄めて、洋服にマッチする高級感や汎用性をプラスする。そんなことを愚直にやっているのがエディフィスのよさではないでしょうか。このスタンスミスも本革、レザーライニングでロゴなどはすべて型押しと。ナチュラルなホワイトの色みもオリジナリティがあります」(小澤)
「WHITE」をコンセプトにした今回のコラボレーション。ロゴを型押しでミニマルにするなどヴィンテージを現代的に表現し、プレミアムレザーでタイムレスなスニーカーに仕上げた。合わせる服を選ばず、スーツにもフィットし、カジュアルには品のよさを添えてくれる。
05:SESA Footwear|JUNEAU
伊ブランドで見つけた大人のアウトドアスニーカー
「セサ フットウェアはイタリアのブランド。このアウトドア調スニーカー『ジュノウ』は定番展開されているみたいです。ベージュと黒は個人的に好きな配色ですが、あまりないんですよね。トラ紐に軽量ヴィブラムソールでトレッキングシューズ風の趣ながら、ライニングはレザーと大人向けの仕様です。ランニングシューズのディテールを融合した“ありそうでない”デザインや、トレンド感があって落ち着いた印象というのは、まさにUOMOのテイストだと思いました」(小澤)
イタリアのマルケ地方で1976年に創業されたモカシン工場の、ファクトリーブランドとして2020年に始動したセサ フットウェア。ナチュラルカラーと黒のコントラストが上品な『ジュノウ』は、ヌバックとナイロンのコンビアッパーにビブラム社製のアークティックグリップソールを採用。履いてみれば、そのつくりのよさがわかる。
06:MIZUNO×nonnative|WAVE MUJIN TL GTX
ボトムスと一体化する洗練されたデザイン
「ノンネイティブが手がけるシューズのよさは、ボトムスとのシームレスな一体感にあると思います。このウェーブ ムジンTL MID GTXもプロダクト単体で見ると斬新なルックスですが、ノンネイティブのパンツに合わせると悪目立ちすることもなく、スッとなじむデザイン。デザイナーの藤井(隆行)さんがベージュ系の色が好きということもあり、今回もベージュとグレーのニュアンスカラーで都会的なスニーカーになりました。これだけでも十分靴として魅力的なのに、GORE-TEX仕様、ミシュランソールなどハイスペックな味付けをしてくるあたりはさすがですよね」(小澤)
構想から4年の歳月をかけて完成したハイブリッドシューズ。「ミッドカットのブーツシルエットで、GORE-TEXファブリクスを搭載した、シューレースのないシューズ」という命題のもと、試行錯誤を重ねて足首からフィットするニットアッパーのブーツスニーカーに。ワントーンのヴィンテージカーキカラーが、上品な佇まいを実現。