2024年12月に連載「大人がこのスニーカーを買う理由」で紹介した新作を、アクセス数が多かった順にあらためてご紹介。大人が「本当に欲しい」スニーカーがわかる!
BEST 5【プーマ】Y2Kムードな話題の韓国ブランドコラボ第二弾「GV SPECIAL LMC」
2000年代のテイストをミックスした感度の高いコラボ
「韓国のストリートブランド、LMC(エルエムシー/LOST MANAGEMENT CITIES)とのコラボレーションモデルです。LMCについては詳しいことは知りませんが、韓国ブランドのコラボは、以前紹介したミズノのウエーブ ライダー 10のときもそうでしたけど、ファッションの文脈でシンプルに今っぽいことをやってくれるので、UOMO読者には取り入れやすいと思います。
プーマのカップソール系の靴は、過去にダンスやヒップホップのカルチャーと絡んでいたこともあり個人的にも好きです。GVスペシャルは僕の中では90年代のイメージが強いところに、2000年代のトレンドであるシルバーのカラーウェイをミックスしていている点で新鮮に感じました。インラインのGVスペシャルをファッションとして取り入れるのはハードルが高いけれど、これなら合わせやすいと思います。
上から見たときのパンチングのデザインが好きで、僕がもともと好きなGVスペシャルのよさをこれだけ引き出してくれています。韓国、と聞くと自分にはちょっと若いかな、と思うこともあるんですが、自分の感性にフィットするなら、コラボとか気にせずにどんどん選んでしまってよいのではないでしょうか」(小澤)
BEST 4【ナイキ】今年の“駅伝パック”で狙うべき「ヴェイパーフライ 3」
ファイヤーパターンが斬新な今年の“駅伝パック”
「ナイキが10年以上前から駅伝シーズンに合わせてリリースしている“駅伝パック(EKIDEN PACK)”が、今年も発売されました。毎回、箱根にインスパイアされたデザインを採用しているのが特徴で、今年は駅伝がスタートしたころに夜間区間を走るランナーの足元を照らしていた松明の炎がモチーフになっています。
とはいいつつ、2002年にナイキは駅伝選手の意見をもとにつくった『エア ストリーク スペクトラム プラス』でもファイヤーパターンを使っていて、2018年にはシュプリームがコラボをしているんですよね。だから見る人によっては、シュプリームが使った柄をアスリートが履いていると思うかもしれません。いずれにせよ、ストリートを彷彿とさせる柄を、限界に挑戦するようなシーンでアスリートが履くなんてことは、今までなかったことだから、僕はとてもワクワクしています。
“駅伝パック”はあらゆるランナーのレベルに合わせたモデル4モデルをラインナップしています。個人的にファイヤーパターンのバランスが一番いいと思うのはこの『ヴェイパーフライ 3』。上位モデルの『アルファフライ 3 プレミアム』も出ていますが、日常のランニングに頻度高く取り入れたいのなら『ズーム フライ 6 プレミアム』のスペックはおすすめです」(小澤)
BEST 3【ナイキ】DSM最新コラボは奥行きのある黒の「ボメロ 5」
DSMコラボならではの奥行のあるブラック
「2020年頃から注目されるようになったボメロ 5。ボメロは2000年代後半にエア マックスとは違う快適性を謳ったシューズとして登場しました。中でもこのボメロ 5はいろいろなコラボにY2K文脈で使われたりするのでファッションのイメージが付いていますが、パフォーマンスシューズとしては最新の17まで発売されていて、バージョンによってアッパーのデザインはかなり変わります。
ボメロはいつも時代に忠実なデザインで、最新のものもいいなと思って見たりしています。共通しているのはどれも履きやすいということ。アシックスのゲルカヤノ14とかニューバランスの1906みたいに、つい履いてしまうナイキって何だろう? と考えたとき、僕はボメロ 5だなと思います。
このトリプルブラックはオーバーレイにリフレクティブ素材を使用したドーバー ストリート マーケットとのコラボレーション。コム デ ギャルソン系のコラボスニーカーは、同じトリプルブラックでもインラインのものとは奥行が全然違います。ご存じの通り黒で何かを表現するのが得意なブランドなだけあって、素材の組み合わせ方などすべて意味のあるデザインになっているので、この“黒の幅”をぜひ楽しんでほしいです」(小澤)
BEST 2【サロモン】2WAY仕様。絶妙カラーも魅力のモックシューズ
カラーリングも魅力的なゲーター付きモックシューズ
「夏用のスライドモックがよかったので、冬用を探してサロモンに行ったところ、このゲーター付きのモデルが出ていました。見た瞬間、これはありだなと。2WAYで履けるところはもちろん、このカラーにひと目惚れです。取り外しできるゲーターは防水機能付きで、フックでソールに留めるデザイン。これを付けることで、雪や雨を防げるようになっています。
センターには止水ファスナーが付いていて、脱ぎ履きも簡単だし、ゲーターを外せばメッシュニットアッパーのモックとして活躍してくれます。サロモンのアドヴァンスドラインだからテクノロジーをファッションとして昇華した仕様になっていますが、ゲーター付きというところに惹かれました。
自然からインスピレーションを受けたようなカラーリングの中でも、レディースっぽいこの淡いプラム系の色がいい感じです。ちょっとデザイナー色が強いシューズをサラッと履きこなせたらいいですね」(小澤)
BEST 1【エンダースキーマ】革靴っぽくも履けるフットボールシューズ着想の新作スリッポン
フットボールシューズに着想したスリッポン
「新作で発売されたばかりのエンダースキーマのスリッポンシューズです。トレーニングシューズからインスピレーションを得たガムソールや、甲部分には90年代後半から2000年代初期のフットボールシューズを彷彿とさせるステッチのデザインも反映されています。スリッポンだから革靴風にも見えるし、ソールを見ればスニーカー風にも使えるし、上手だなと思います。
フットボールシューズがトレンドだから履きたいとなるのは、よくあることですが、それをエンダースキーマのようにスリッポンでつくってみようと思うのはまた別の発想です。なんというか、実は近いところにお互いがいるけれど、一般的にはその距離や相性に気づかないもの同士をツイストすることで、こういう見え方があるんだとか、こういう履き方があるんだと、気づかせてくれるのがエンダースキーマの良さです。
エンダースキーマの『mip(エム・アイ・ピー/manual industrial productsの略称。傑作シューズを手工業で革靴として生産するシリーズ)』もそうですよね? 例えば名品バッシュをオールレザーでつくるというのは突飛なアイデアだけど、レザーにすると今まで気づかなかったディテールのよさを発見できたり。そのアプローチがいいなと思うんですよ。
『デリダ』も同じです。意外と思いつきにくいアイデアを、しっかりとした生産背景のある工場でつくると、こんな風にいいものが完成します。このスニーカーはいろんな視点から見て、ありだなと思う一足です」(小澤)