2024.12.14
最終更新日:2024.12.14

【大人が買うべき新作スニーカーBEST5】1位はゴアテックス仕様オールブラックの「D-VEC」【2024年12月】

WEB連載「大人がこのスニーカーを買う理由」にてエディター小澤匡行氏がピックアップしたスニーカーを、アクセス数が多かった順にランキング。この1ヶ月で最も注目を集めたモデルは?

BEST 5|NNormal|Tomir1.0

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スニーカー¥27,500/ノーマル(カンペールジャパン)
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街でも快適に履けるイチ推しトレランシューズ

「ノーマルはカンペールが手がけるブランドです。オンやホカ、アルトラなど新興アウトドアブランドのトレランシューズが増えている中で、このトミール1.0が気になって買ってみたんです。実際に履いてみてノーマルの魅力がわかりました。トレランシューズって履き心地的にはちょっとカタいけどカッコいいからと、みんなそこを許容して街で履いているところがあると思うのですが、ノーマルはそれがないんです。

履き心地にやわらかさもありながら、アッパーの素材の使い方にはテクニカルな要素もあって、トレランシューズの機能と見た目をキープしつつ普段履きがとてもしやすくて。何よりもこの配色が気に入っています。トミールはすでに進化版のトミール2.0が発売されています。でも2.0にはこれと同じホワイト×グレー×プラム系の配色がないので、今のところ1.0のこのカラーリング一択です。

もうひとつのノーマルのシューズのポイントはサイドのステッチ。このステッチがあることで少しローテクに見えるのもタウンユースしやすい理由だと思います。このサイドマッケイ風のディテールは耐久性を高めると同時に、ソールとアッパーの分離をしやすくするなど、リサイクルや環境のことを意識したものだそうです。履いてみるといろいろ学びのあるシューズです」(小澤)

世界的に活躍する山岳アスリートのキリアン・ジョルネとカンペールのパートナーシップによって誕生したノーマル。カンペールの本拠地、スペインのマヨルカ島でデザインされ、キリアンがトレーニングするノルウェーのフィヨルドでテストしてプロダクトを展開。ブランドの名はその2つの地名(Nor-way + Mal-lorca)に由来し、新たな道を模索する(No-Normal)という意味がこめられている。2022年にデビューし、2023年に日本でも発売に。トミールは革新的な技術とデザイン性を落としこんだフラッグシップシューズだ。

BEST 4|pg|OLIVER

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スニーカー¥24,200[12月上旬発売予定]/ピージー(プレイグラウンド)
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90年代の仏トレッキングシューズに着想した注目作

「富ヶ谷のスニーカーショップ、プレイグラウンドはご近所ということもあって、週末に出かけて行って草賀(雄介/pgのデザイナー)さんとも話をしたりしています。行って感じるのはとにかく海外の人がよく来るなということ。先日もパリからの客人を案内すると、とても喜ばれました。pgはメジャーなスポーツブランドにはない、新鮮さと引き出しの面白さがあります。

スニーカーコレクターとしても有名な草賀さんは、とにかくマニアックで、しかもかなり天邪鬼な性格。その天邪鬼という視点は大手メーカーも近年、注目している部分です。このモデルは90年代に渋谷・原宿界隈のセレクトショップで売られていたフランスのトレッキングシューズがモチーフ。ビブラムソールでアッパーもレザーだから、ほぼほぼブーツのように見えますが、pgらしくFREELOCKシステムを付けてアレンジしています。ディスクを回してフィットするときにもたつきがちなシュータン部分も、ネオプレーンのインナーソックを採用することで違和感を解消。シューズメイクに精通している草賀さんらしいアイデアです。

草賀さんが『90年代に赤いスエードのトレッキングシューズにリーバイス501の66を履いて、オルテガのベストを着ていた原宿プロペラのショップのスタッフがカッコよかったことをふと思い出して、pgなりに現代的につくってみた』と話していたように、テック系のパンツではなくリーバイスのジーンズに合わせたりするのもよさそうです。重厚感もあって、冬にいいのではないでしょうか」(小澤)

90年代にコアな層に人気を集めた、フランスのトレッキングシューズをイメージした「オリバー」。現代的なpgのフィルターを通してデイリーユースしやすいトレッキングシューズに昇華した。買いやすい価格もあって完売続きだったブラックのカウ・スエードアッパータイプが、12月に再入荷。この機会を逃さずに。

BEST 3|adidas originals for ÉDIFICE/IÉNA|GAZELLE INDOOR

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スニーカー¥16,500/アディダス オリジナルス フォー エディフィス/イエナ(エディフィス新宿)
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上質なレザーにも心惹かれるバランスのいい別注

「エディフィス/イエナ別注のガゼル インドアです。ガゼルといえば90年代のジャミロクワイが愛用していたスニーカーというイメージですが、僕も当時から2000年頃までよく履いていました。このガゼル インドアは文字通り室内用につくられたスニーカーで、トウの切り替えが通常のガゼルとちょっと違います。

ガゼル インドアはTパーツをトウ全体にスッポリかぶせた、むしろサンバに近いデザイン。些細な違いでも、このトウの補強パーツはデザインの印象を大きく左右します。僕はどちらかというと、このかぶせているデザインがいいなと思っていて、黒×銀もクラシックなアディダスやプーマが好きな人には響く配色。最近、エディフィスではこのカラーパレットの別注が増えています。ファッションとスニーカーカルチャー、双方のアプローチができていて、僕にはとても万能な一足です。

シボ感のある上質なソフトシュリンクレザーを使っているところもエディフィス/イエナの別注らしいし、トウとヒールの補強を厚めのスエード素材にしたり、通常は配色のヒールパッチをボディと同色にするなど、バランスもとてもいいと思っています」(小澤)

1960年代にインドアスポーツ用シューズとして登場した「ガゼル インドア」をベースに、スムースレザーとスエードのコンビネーションアッパー&ガムラバーアウトソールで別注。11年間続いたアディダス オリジナルとエディフィス/イエナのコラボの初のブラックカラーモデルとしても注目度が高い。スリーストライプスとヒールロゴのシルバーカラーがラグジュアリー感を演出し、大人のスニーカーにふさわしい仕上がり。

BEST 2|Mizuno|WAVE PROPHECY MOC

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スニーカー¥31,900/ミズノ(ミズノお客様相談センター)
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ハイテクとローテクを見事に融合したモック

「ミズノのウエーブ プロフェシー ソールを使ったモックです。以前、レザーアッパーで登場して大好評を博したウエーブ プロフェシー モックのスエードバージョンで、この10月末に発売されました。スエードアッパーは初で、トープとブラウンの2色があります。ブラウンのほうが最近のムードにフィットする気がして、今回ブラウンをピックアップしました。

10年以上前に、マウンテンリサーチがインフィニティ モックとのコラボレーションでダブルリングのモカシンをつくっていたんです。これを見たとき、スエードのモックにこの奇抜なソールの組み合わせが、マウテンリサーチっぽいなと思い出して、こういうモカシンもありなんだなと感じました。当時はすごくハイテクというか斬新に感じましたが、時代が追いついてきたのか、今は収まりのよいデザインだなと思います。

最近は自分の中でスニーカーソールのモカシン型がだいぶ身近になって、以前だったら自分には履きこなせないなと感じたウエーブ プロフェシー モックの魅力もわかるようになってきました。アッパーはローテクに見せつつ、履き口の構造などはとてもテクニカルで、すごく考えらえているデザインシューズだと思います」(小澤)

「ミズノ ウエーブ」の進化系ソールユニット「インフィニティ ウエーブ」を搭載したモックシューズとして2023年秋に登場。クラシックなモカシンシューズのルックスながらフィット性や快適性を実現した「ウエーブ プロフェシー モック」の新作。トレンド感のあるブラウンとトープのスエードを採用したハイブリッドシューズは完売必至。スペアシューレースとして、生成色のフラットシューレースが付属する。

BEST 1|D-VEC|FOGLER GORE-TEX MID

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スニーカー¥35,200/ディーベック
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ブランドが自信をもって推す「滑らない靴」

「D-VECはアパレルのイメージはあったんですが、最近は靴も展開しているということを仕事きっかけで知りました。スニーカー畑だけにいると出会いにくいシューズですよね。ブランドの方に『絶対滑らないですから!』と言われたので、雨の撮影のときに履いてみたら、滑りやすいコンクリートでスタッフがつるつると滑っている中、僕は大丈夫でした。

『滑らない靴』の秘密はヴィブラム社と共同開発したオリジナルソールにあるそうです。ヴィブラムでもグリップ力の高いメガグリップソールを、オリジナルのラグパターンで搭載しています。アッパーのデザインもバリスティック風の素材を使うなどタクティカルブーツっぽい感じで、でも履いてみるとメカっぽさもなく、スマートで快適です。

ちょっと前まではオールブラックのGORE-TEXシューズは珍しいものだったのに、今や世の中にたくさんあって、僕自身10足くらいは持っているかも。どのブランドも自信作としてリリースしているので、個人的にはボトムスとの相性や用途によって履き比べしています。そんな中でもD-VECは最近のお気に入りです」(小澤)

フィッシングブランドとしておなじみのダイワの機能性をファッションに落とし込み、都市生活をサポートする独創的なプロダクトを提案するD-VEC。2017年にデビューして以来、国内外で高く評価されている。FOGLER GORE-TEX MIDはダイワの名品FOGLERブーツを、タウンユースを想定してアレンジした新作。ロゴマークを減らし、シルエットも細身にすることでシャープな印象に仕上げている。

カンペールジャパン TEL: 03-5412-1844
プレイグラウンド TEL:03-5738-1872
エディフィス新宿 TEL:03-5366-5481
ミズノお客様相談センター TEL:0120-320-799
ディーベック https://d-vec.jp/

小澤匡行プロフィール画像
エディター
小澤匡行

「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。

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