サンバの大ヒット以降、勢いが止まらないアディダスのスニーカー。その中から、本誌エディターとしても活躍する小澤匡行さんが気になる新作をピックアップ。ひと捻り効いた一足で周りと差をつけよう。
01:adidas Skateboarding|ALOHA SUPER
マーク・ゴンザレス愛用シューズの最新色
「今ではゴンズ(マーク・ゴンザレスの愛称)といえばアロハ スーパーというイメージが定着しました。このブリックカラーは最新色です。ゴンズとのパートナーシップでこのモデルが登場したのは2018年。もともとは彼が1998年にドイツ・ブラウンシュヴァイクの美術館内でスケートボードをした際に履いていたフェンシング用シューズ adiStar(アディスター)をベースにデザインされたモデルだそうです。
以後、さまざまなカラーで展開されていますが、ゴンズのシグネチャーは安定してカッコよかったり、かわいいものが登場しています。アディマティックのようなスケートシューズらしいスリーストライプスの角度、低重心なフォルムもかわいいですよね。
マーク・ゴンザレスはイラストなどの分野でも評価されているアーティストです。シュータンのマークは、彼が描くアイコンのエンジェルマークとトレフォイルをミックスしたもの。すごくセンスがいいですよね。僕の世代からすると90年代に有名になったレジェンドですが、今もずっと一線で活躍しているのもスゴイと思います」(小澤匡行さん)
02:adidas Originals|SAMBA LT
カラーリングとレトロなメッシュに惹かれて
「アディダス オリジナルスから発売された、折り返しタン付きのいかにもフットボールシューズ然としたサンバ LTです。ウェールズ・ボナーとの2023年秋冬のコラボでもタン付きが出ていたように、最近はフットボールシューズのディテールが強ければ強いほどいいという風潮があります。
自分はタン付きを履いたことはないんですが、これは水色×茶色というカラーリングに惹かれました。ウィメンズのファッションでは折り返したタンの存在感がコーディネートのアクセントになるんでしょうね。今のサンバブームを牽引するウィメンズのトレンドをうまく表現していると思いました。
もうひとつ僕が惹かれたのがテクニカルじゃない、レトロなメッシュ素材。2000年代ブームを反映した近未来感を表現するためのメッシュも多いですが、レトロに見せる編み込み素材が増えています。こういった素材は今のファッションとも相性がよいので、面白い部分だなと注目しています」(小澤匡行さん)
03:adidas Originals|STAN SMITH LUX SHINSUKE NAKADA
ファッション視点でスタンスミスの振り幅を広げる
「ビームスのクリエイティブディレクターとして活躍されていた中田慎介さんが監修したスタンスミスです。ドレスシューズをテーマにしているようで、スエードアッパーと同色のソールで革靴っぽく仕上げています。中田さんがクラシックなスーツスタイルや自転車に乗るようなカジュアルセットアップに合わせたビジュアルも公開されているので、ぜひチェックしてみてください。
スタンスミスはもともと振り幅の広い靴ですが、それをファッションの視点でさらに押し広げたのはやはり中田さんのセンスと経験だと思います。取り外しできるキルトや革靴のような丸紐を付けて、ムードを変えられるようにしています。何よりライニングがレザーというのがいちばんのポイントで、僕個人としてはそこにいちばんこだわりを感じました。
ライニングの色をきれいな明るいブラウンにしているのは、2000年前後くらいに好きだったエルメスやシルバノ マッツァのようなラグジュアリースニーカーに通じるディテール。足首からちらりと見える感じがしゃれていて、面白いなと思いました」(小澤匡行さん)
「足元ばかり見ていては欲しい靴は見えてこない」が信条。近著に『1995年のエア マックス』(中央公論新書)。スニーカーサイズは28.5㎝。
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