UOMOプリント版の連載『教えて! 東京スニーカー氏』でもおなじみの小澤匡行さんが、数多の中から極私的なおすすめモデルを厳選。
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01:adidas originals|LAWSUIT atmos “Beef & Broccoli”
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ヒップホップ文脈でのカラー別注が新鮮
「90年代にストリートシーンで人気を博したロースーツを、アトモスがヒップホップファンにはたまらないビーブロ(ビーフ&ブロッコリー)カラーで別注しました。当時、ロースーツの前進でノートンというモデルがあって、その違いがよくわからずにいました。後でノートンという名前が商標の問題で使えなくなり、ロースーツと名前を変えたということを知りました。つまり配色などの違いはあれ、兄弟モデルだったんです。ちなみにロースーツ(LAWSUIT)は“訴訟”という意味。ヒップホップが好きだった1999年頃に白黒レザーのロースーツⅡをヘビロテしていて、アメリカ留学にまで持っていったのもいい思い出です」(小澤)
90年代半ばにノートン(NORTON)というモデル名で登場し、裏原宿を中心にストリートシーンで支持された。名前をロースーツと変更した後も、アディマティックと並んで90年代~2000年代初頭のシーンを支えた名品。ベージュ、黒のオリジナルカラーに続き、アトモスの別注でビーブロカラーが発売に。
02:CONVERSE|ALL STAR US AGEDCOLORS OX
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スタンダードになり得るピンクのコンバース
「U.S. オリジネーターシリーズは、つま先のシェイプやフォクシングテープの締まった感じも好みで、このクオリティがインラインで気軽に買えるとは、いい時代になったなと思います。ランニング以外ではあまりカラースニーカーを履きませんが、ピンクのコンバースだけは別で、4足ほどシリーズ違いで持っています。2000年代にマーク・ジェイコブスがスタンスミスとともにピンクのコンバース オールスターを愛用していたことが、好きになったきっかけ。グレーのスラックスの足元にピンクのオールスターという着こなしが、彼の金髪によく合って最高にカッコよかった。そのとき僕は、ピンクのコンバースが黒キャンバスと同じくらい普遍的なものに感じて…今に至っています」(小澤)
U.S. オリジネーターは、アメリカンヴィンテージテイストを追求するコレクション。通常の生成りのテープよりも黄みがかったカラーで、クラシカルなムードを演出したのがこのオールスター US エイジドカラーズ OX。ストロベリー(ピンク)は2024年春の新色だ。洗い加工したほどよいトーンは、春の足元のアクセントに最適。
03:Clarks Originals|Wallabee Eden Lo
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本家が正解にしたヴィブラムソールアレンジ
「2023年秋冬にヴィブラムソールのミッドカット版をユニオンのポップアップで見たとき、2000年代のドメスティックの靴ブランドのシューズが蘇りました。僕ら世代にとってはクラークス=クレープソールだったけれど、今はモカシンスタイルのアッパーが象徴になって、若い世代はこのデザインが履きたいわけです。今までワラビーを履くときに、スニーカーブランドのクッション性の高いインソールをわざわざ入れて履いていました。僕個人の積年の“履き心地の気になるポイント”が解消され、そんな経緯からも欲しいと思った一足。オーセンティックなワラビー以外にもチャレンジしてみたいです」(小澤)
クラシックなアッパーとテクニカルなヴィブラムソールが融合した「ワラビー エデン ロー」。クラークスのアイコンシューズである「ワラビー」をモダンにアップデートした。ソフトなプレミアムスエードの素材はそのまま、耐久性に優れたヴィブラムソールでタフに履ける。
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Stylist:Masayuki Ozawa
Composition&Text:Hisami Kotakemori
Illustration:Yoshifumi Takeda